晩秋の新しい贈り物
近ごろの日本は11月下旬になっても最高気温が20度前後の日が多く、まだまだ秋という感じですが季節の食べ物はさほど以前と変わらず、その到来をもって季節を実感します。毎年、友人からの秋の便りは「黒豆枝豆」で播州のご自宅で収穫された黒豆枝豆がいつも秋の深まりを教えてくれるのです。普通の枝豆は夏場に出回りますが黒豆枝豆は少し生育が遅めで、秋が深まってからの味覚になります。もう何年もの間、毎年いただいているのですが今年は黒豆枝豆にまぎれて5cmほどの実がコロンと入れられていました。私は生まれて初めて見た実で全く何なのかわかりませんでした。果たして食べられるのか?観賞用なのか。香りもなく、さっぱりわからないので友人に聞いてみると「フェイジョアの実」とのこと。追熟させると甘い香りがでてきて、半分に切ってスプーンで食べるとおいしいよとの話。調べてみるとフトモモ科の常緑低木であり、実が生るのは11月~12月の間で南アメリカ原産ですがニュージーランドでよく育てられているそうです。
1週間ほど待つとほのかな香りがしてちょっぴり実は柔らかくなり、恐る恐る半分に切ってみてスプーンですくってみると、ほのかな甘い香りがさわやかで味は洋ナシに似て甘酸っぱい、優しい味でした。味とともに覚えたフェイジョア。これからはこの実を見ると秋も深まったなと思えそうです。
そして、この晩秋の味覚の贈り物を食べ終えるころ、季節は冬を迎えます。