おとをさがして
以前、海外出張手配を担う部署にいたころ、業務ビザ申請書作成の担当をしていました。
近頃はWeb申請がずいぶん増えたようですが当時は、紙書類をそろえて各国の領事館に
提出するのが主流でした。
業務ビザは観光に比べ複雑なことが多いものの、社内で申請が頻繁な国のデータは
社内情報共有されており苦労なく必要書類がわかるのですが
その頃、社内で取り扱いが少なく、都度調べることが多かったのがロシアです。
駐日ロシア領事館に電話を入れることたびたび。
こちらはロシア語ができないので、領事館の日本語ができるスタッフがたより。
ところが、あちらも電話の簡単な受け答えはできても突っ込んだ話になると
「お待ちください」という言葉とともに電話を長く保留されることがたびたび。
その際の電話保留音が日本で一般的に聞きなれたものではなく
明るめのアレンジですが、どことなく哀愁を帯びたロシア楽曲なのです。
曲調からロシアの曲だろうとはわかっても「カチューシャ」「カリンカ」のように
すぐ題名を思いつく曲ではなく、聞くたびに何の曲なのかとても気になり・・・。
領事館のスタッフに唐突に仕事内容以外のことを聞くこともできないので
題名のヒントもなく、自分の耳がたよりで探すことに・・。
パソコンでキーワード検索しては聞く、の繰り返しを数日コツコツやって
やっとこの音!と見つけることができました!
「モスクワ郊外の夕べ」
自分の耳を頼りに探り当てたのが嬉しくて、当時、ロシアへの出張が多くロシアに詳しかった
ドイツ在住の友人のドイツ人夫君にいきさつを伝えてみたら
「もっと他にいい曲があるのに駐日ロシア領事館の選曲はいまいち」との感想でしたが。
そうでしょうか?素敵な曲だと思いませんか。
『モスクワ郊外の夕べ(Moscow Nights)』は、1955年に作曲されたロシア歌曲とのこと。
ジャスアレンジ曲もあるらしく、日本では、テレビロシア語講座のテーマ曲だったとか。
私にとってはちょっとした旅気分を満たし、ロシアらしい哀愁の名曲に出会えた心に残るできごとでした。
春のあしおと
はじめましてAndanteです。
これから折々のおたよりいたします。
鏡開きも通り過ぎると春の足音がひたひたと聞こえてきます。
毎日見る天気予報の日の出時間が1分づつ早くなり嬉しくなりますよね。
いつのころからか季節の行事を大事にしようと思い立ち、それからずっと季節を追ってます。
次の行事は節分ですね!
恵方巻き、もちろんいただきます。
年々数えるのも大変ですが、節分豆も年齢数がつっといただきますよ!
イワシの頭を柊に刺して魔除けするとコロナ禍も退散してくれるでしょうか。
そして桃の節句、ひなまつりと続きます。
寒い時期ながらも節分からひなまつりまでの流れはとても好きです。
桃の花の香りとともにふんわりと温かい気分になります。
昔は御殿付きの段飾りのおひなさまを飾っていましたが、年に1回のことで
いつのまにやら説明書もなくし、御殿が組み立てられなかったり
人形たちの立ち位置がわからなかったりで近頃は小さなおひなさまだけを飾っています。
ひなあられを必ず添えて。
「あかりをつけましょぼんぼりに~」と小さくくちずさみながら。