晩秋の新しい贈り物

近ごろの日本は11月下旬になっても最高気温が20度前後の日が多く、まだまだ秋という感じですが季節の食べ物はさほど以前と変わらず、その到来をもって季節を実感します。毎年、友人からの秋の便りは「黒豆枝豆」で播州のご自宅で収穫された黒豆枝豆がいつも秋の深まりを教えてくれるのです。普通の枝豆は夏場に出回りますが黒豆枝豆は少し生育が遅めで、秋が深まってからの味覚になります。もう何年もの間、毎年いただいているのですが今年は黒豆枝豆にまぎれて5cmほどの実がコロンと入れられていました。私は生まれて初めて見た実で全く何なのかわかりませんでした。果たして食べられるのか?観賞用なのか。香りもなく、さっぱりわからないので友人に聞いてみると「フェイジョアの実」とのこと。追熟させると甘い香りがでてきて、半分に切ってスプーンで食べるとおいしいよとの話。調べてみるとフトモモ科の常緑低木であり、実が生るのは11月~12月の間で南アメリカ原産ですがニュージーランドでよく育てられているそうです。


フェイジョアの花

1週間ほど待つとほのかな香りがしてちょっぴり実は柔らかくなり、恐る恐る半分に切ってみてスプーンですくってみると、ほのかな甘い香りがさわやかで味は洋ナシに似て甘酸っぱい、優しい味でした。味とともに覚えたフェイジョア。これからはこの実を見ると秋も深まったなと思えそうです。

そして、この晩秋の味覚の贈り物を食べ終えるころ、季節は冬を迎えます。


完熟前は固く香りもありません

縦切りと横切りどっちがいい?


スプーンですくって召し上がれ


投稿者名 Andante 投稿日時 2022年11月29日 | Permalink

信州の秋を旅して

コロナ禍の前までは、ほぼ年に2回は海外旅行をしていたのに最近はかなわず、それなら国内でもと思いつつ、昨年の夏もコロナ大流行中であきらめてしまい今年こそは海外へ行けるかなと期待したものの、徐々に海外旅行も行けなくはないが、9/7までは帰国時の陰性証明提出のハードルも高かったし、その上円安が加速したことでやっぱり国内旅行に落ち着かざるを得ません。色々調べるうちに「ろくもん」に乗る旅を見つけました。
長野から軽井沢までの2時間、食事をしながら乗車、途中駅で観光もできるというもの。長野県はスキーのイメージはあるものの、ちゃんと旅をしたことがなくて非常に興味をかきたてられるものでした。
鉄道マニア でもないので、しなの鉄道という私鉄があり、「ろくもん」が豪華列車「ななつ星」のデザイナーと同じ水戸岡鋭治氏のデザインした観光列車であることも、この旅で初めて知りました。
「ろくもん」は3両編成。とてもこじんまりとした列車ですが、スッキリとしたデザインで機能的、マルーン色の車体がとても素敵。また、観光列車らしく、車窓からの景色を楽しみやすく配慮された座席の配置もとても好ましいものでした。


ろくもん


車内には予めお食事がセットされています


始発駅のため、ホームに列車は早めに待機しており、発車時刻の10分前ほどだったか、ほら貝の合図を受けてから乗車します。席には予め、お料理がセットされており、お飲み物はワインかりんごジュースが1杯無料でついてきます。
アテンダントが地元メーカーのワイン、地酒など追加の飲み物のオーダーを取りに来てくれます。アテンダントはお食事の説明と配膳、車窓の風景の案内、そして停車駅での観光案内まで大活躍。とてもきめ細やかにサービスしてくれます。お抹茶も車内でたててくれ提供され、そして最後には信州そばのお土産もあるのです。至れり尽くせり。今回、長野から軽井沢のルートで和食でしたが、軽井沢から長野までの行程では洋食(軽井沢イタリアン)だそうで季節を変えてまた訪れるたいなと思いました。
旅に出たのは大雨続きの後だったので、車窓風景は千曲川の水が泥色となっていましたが、晴れており浅間山も少しの雲にかくれてはいるものの、清々しい雄大な風景を楽しむことができて、心地よい時を過ごすことができたことが一番の収穫でした。
旅はやっぱり海外、国内にかかわらず非日常の体験となり、リフレッシュにはうってつけですね。
とはいえ、マスク必須の旅は窮屈で、本当はどこへ行くのもマスクなしの旅が普通にできることが一番だという思いを新たにした旅でした。


列車に乗る前立ち寄った、小布施のリンゴの樹


車窓から千曲川を望む


車窓からの浅間山


投稿者名 Andante 投稿日時 2022年10月04日 | Permalink

たんちゃましまし

ふとしたときに口をついてでる歌詞とメロディがあります。
「たんちゃましましー りやまそいそいー たんちゃやくしく」

中学生の頃、転校生がやってきました。
くっきり二重の大きく目、彫りが深く、真っ黒な豊かなウエーブの髪を持ち、そして底抜けに明るい笑顔。
多分、口に出さなくても南国出身だと分かったと思います。
やがて彼女は同じ卓球部に入部してきて初心者らしくぎこちないながら、失敗してもへこたれず笑い飛ばす、たちまち部のムードメーカーとなりました。
その彼女が折に触れ、踊りながら歌っていたのが「たんちゃましましー りやまそいそいー たんちゃやくしく」と私には聞こえる、言葉の意味はわからないながらも、いかにも南国ムードの曲でした。
その後、ほんの1年もたたないうちに彼女は転校していき、それから長い年月を過ごすうちに名前も忘れてしまったのですが、あのメロディと滑らかで陽気に踊る彼女の姿が幾年経ても記憶から離れません。
近ごろ、ふと気になってyoutubeで検索してみたら、これだったのだと見つけることができました。
沖縄民謡で「谷茶前節(たんちゃめぶし)」。
歌詞は色んな説があり、「タンチャマシマシ リアンガソイソイ」やら「ナンチャマシマシ ディアングァヤクシク」「タンチャ(ナンチャ) マシマシ(ムサムサ)デアングヮ(リアングヮ) ソイソイ」など。
今年は沖縄本土復帰から50周年、そしてNHKの朝のテレビ小説も沖縄出身の主人公を扱っているので、なおさらこのメロディを思い出した今日この頃です。



投稿者名 Andante 投稿日時 2022年08月25日 | Permalink

鳥たちに教えられたこと 夏 

今年の梅雨はあっという間に、あっけなく終わると今度は容赦ない暑さに頭がクラクラ。早めの猛暑かと思えば、梅雨の終わり頃のように雨が続いたり、それもまた厄介です。運動不足解消のための散歩も暑すぎるとさぼりがちになります。冬から春の散歩時に近所の公園や川辺で出会った野鳥たちですが、冬鳥が多かったようなので夏になったら、果たして彼らはどうしているのか気になり、久しぶりに訪れてみました。まず池には水草が生い茂り、木々は青々とし、雑草さえも茂っており、春からも様相がすっかり変わっています。あれほど見かけたキンクロハジロは全く姿をみせず、そうそう、冬鳥のためどこかに移動していったようです。今年の夏、アオサギは空には飛んでるのを見かけますが、池に降り立つのは時々です。池の水もぬるくて居心地が悪いのかもしれません。


それとも、この辺りをカラスが占領しているために他の鳥は近寄り難いのかもしれません。
小さな灰色の鳥は見かけるのですが警戒心が強く、すぐ飛び立つので何の鳥やら判断できません。とはいえ野鳥は喧騒にあふれた街中の、ささやかなオアシスである公園の池や、大自然の中の川のように透明な水ではない川辺でも数羽であれ、たくましく生活しており感心してしまいます。
こんな風にありふれた近所の風景の中でも、よくよく見れば、季節とともに少しずつ何らかの変化があり、そうして時は流れていくのだなと思います。


コロナ禍の中の夏も3度目、もう4回目はないと信じたい今日この頃、何があっても飄々と都会の真ん中でたくましく生きる鳥たちのようにしなやかに生きていきたいものです。





投稿者名 Andante 投稿日時 2022年07月25日 | Permalink

若葉の緑 山の碧 水のせせらぎ 

やわらかな若葉の季節を満喫するために京都・叡山電鉄に乗って鞍馬まで。
現在放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出てくる源義経が修行した山なのでどんなものかとの興味もあり、強力なパワースポットでもあることも背中を押しました。ほんの少し鞍馬寺を見るつもりが所々にある、あと○○mの表示に導かれて奥へ奥へと進んでしまい、引き返すも地獄のため、ええいっ!とばかりと山越えして貴船神社までの道のりを歩く羽目に。コロナ禍中の運動不足で息も絶え絶え、汗だくになりつつも見事な緑に癒されながら赤い鳥居の貴船神社までたどり着いた時は達成感でいっぱい! 


レトロな駅舎の叡山電鉄 鞍馬駅


不動堂 ここからひたすら下り貴船神社へ


貴船神社に到着


水占みくじ

貴船神社は水の神様を祭っており、水占みくじがあります。早速挑戦しますと中吉でした。水に浮かべて徐々に文字が浮き上がるのはとても面白いですね。
貴船は京都の奥座敷、夏場は涼を求めて川床料理を楽しむところ。すがすがしい天気で、真夏の様な日差しの中に川でくつろぐアオサギが涼しげで好ましく、川のせせらぎの音は心を癒すものでした。 なぜこんな豊かな自然のなかでマスク姿でいないといけないのか。まず国内旅行から勇気をもってでかけると旅する喜びの感情がよみがえります。もっと気兼ねなく、国内、海外旅行へも出かける機会が増えることを願うばかりです。


飄々としたアオサギ


コロナ禍によって生まれた新たな旅のジャンル、オンラインツアーはこちら
『公認ガイド中谷剛氏と歩く「アウシュヴィッツ強制収容所内部見学」とアンナさんが語るポーランドの今(10日間の見逃し配信あり)』
https://www.ytk.jp/music/tours/1220202_1618.html


投稿者名 Andante 投稿日時 2022年05月13日 | Permalink