海外からのレポート【フランスの今】(パリ編1)
クラシック音楽ファンに人気のあの街は今・・・?
第2弾は、フランスのパリから。
パリのガイドさんに話をお伺いしました。
◆街の様子はいかがですか?
パリの街は信じられないほど静かです。
それでも毎晩時報ごとにエッフェル塔はキラキラ輝いてくれています。
観光客が一人もいなくなって、
誰にも見られていないのにがんばっているその姿を見ると勇気づけられます。
◆日々の生活の様子を教えてください。生活必需品、買い物などは自由にできていますか?
買い物は配達サービスを利用することもできるのですが、
5日か6日に一度くらいは外に出たい気持ちもあるので自分で行っています。
皆さんマスクをして手袋をはめて重装備です。
スーパーの入り口で順番を待ち、係員に手を消毒してもらってから中に入ります。
だいたいのものは手に入りますので日常生活に支障はありませんが、
今見つからずに困っているのは、小麦粉、消毒に使う漂白剤、消毒用アルコールです。
日本人の私は、外出禁止前にお米を備蓄しましたが、フランス人は小麦粉なんですね。
◆このような時期でありながらも、小さな楽しみがあれば教えてください。
せっかく時間があるので、たまっていた雑用・雑用・勉強を片付けています。
あとは毎晩ネットでコンサート、オペラ、バレエを見るのが楽しみです。
◆音楽に関連する情報で日本のお客様に伝えたいことがあれば教えてください。
パリオペラ座のサイトでは今だけ無料でオペラやバレエを公開しています。ありがたいです。
2月29日の初日をねらって予約したプリティー・イェンデ主演の「マノン」は
ストで中止になってしまい、予約しなおした3月25日ももちろん中止になって
しまいましたが、
どうしても見たかった「マノン」をそれでなんとか観ることができました。
そのうえオペラ座の定期会員は今だけ無料でmediti.tvというクラシック音楽の
サイトを見ることもできますので、それも利用しています。もちろんYOUTUBEも。
というわけで夢に見ていたコンサートとオペラ三昧の日々を送っております。
先行きが大変不安ですし、毎日命の危険を感じているにもかかわらず、
結局そういう生活です。
今年のパリオペラ座の目玉は「指輪」だったのですが、すでに「ラインの黄金」と
「ワールキュレー」は中止になり、がっくりです(4作とも見ようと思い、
貯金をはたいて予約していました)。練習も何もできないわけですので、
このままなら秋の公演も多分できないのでどうするのか考え中という記事を読みました。
舞台装置も何もなしでコンサート様式にするという一案があるそうですが、
「指輪」をコンサートで見てもしょうがないという観客層のほうが多いのでは、
とのことです。
いずれにしても現在の政府の意向は外出禁止は5月11日まで。
それ以降は状況を見ながら学校の授業の再開、商店営業再開など少しずつ
元に戻す予定だそうです。
が、飲食店、美術館、劇場の営業再開は早くても7月半ば、とのことです。
「早くて」ということなので、もっと延ばされる可能性もあると思います。
フランスではオーケストラ団員など団体に属している演奏家たちのステータスでは
一般の給与所得者なら受給される「一時帰休手当て」がもらえないのだそうです。
それでは7月半ばまでとてもやっていけないとの訴えが国会に届いてただいま
上院で審議中、というニュースを今朝読みました。
それでもどのオーケストラもオンラインのコンサートを次々発表してくれて、
とても励みになりますね。
パリ・オペラ座は、ストライキの問題を抱えながらも、今シーズンは
大変魅力的なプログラムが目白押しでした。
ぜひ、また再び華やかな舞台で、素晴らしい音楽を聴かせてくれることでしょう。