2015年6月バッハへの旅★現地レポート(2)

バッハへの旅、前半のハイライトはヘレヴェッヘ指揮「ヨハネ受難曲」(ニコライ教会)。ヘレヴェッヘはここできいた2004年のファイナルコンサート「ロ短調ミサ曲」の圧倒的名演が忘れられず。あれとどうしても比較してしまうのでちょっとしんどい部分も。今回も、立ち上がりはまとまりに欠け、?という感じだったのですが、第2部に入るとがぜんよくなり、最後の2曲の合唱は圧巻でした。あまり上演されない1725年稿というのも目新しかったのですが、第1曲が明るすぎるのはやはり違和感。バッハがこの冒頭曲を1度使っただけて引っ込めた理由もわかるような気が。ソリストではソプラノのドロテー・ミールズが頭ひとつ抜けたできばえ。古楽界のプリマの一人ですね。カーテンコール。3階からなので見えづらくて失礼。


後半はライプツィヒを離れてベルリンとドレスデンへ。(ツアーは後半2コースに分かれライプツィヒにそのまま滞在するプランからお選びいただきました)
「ヨハネ」の翌日はベルリンでベルリンフィル。ラトルの指揮、テツラフの独奏でブラームス「ヴァイオリン協奏曲」、ドビュッシー「映像」、ユネスク「ルーマニア狂詩曲第1番」。テツラフのの求道者ぶりがきわだったブラームス、各メンバーのヴィルトゥオジティ満開のユネスクが対照的で面白かった。ドビュッシーは、2012年にベルリンフィルでこの曲を振った(とプログラムにありました)サロネンで聴いてみたかったかも。ベルリンフィルの外観。


そしてベルリンの翌日はドレスデン。ザクセン州立歌劇場で「フィガロの結婚」のプレミエ。若手中心の歌手陣はかなりな水準で(ケルビーノ役のクリスティーナ・ボックという1986年生まれ!のメッゾは声に個性があり、伸びがあり、また聴いてみたいと思いました)、チェンバロを弾きながらのオマール・マイアー・ヴェルバの指揮は素晴らしかった。(バレンボイムの弟子だというヴェルバ、ヨーロッパではかなりでています。日本にも呼んでほしい)。


ヨハネス・エラートの演出は、コメディアデラルテに始まる喜劇の歴史数百年?を見せてしまおうという意図で、それ自体は面白いし、舞台も基本的にはキレイなのですが、第4幕はレチタティーヴォを全部なくしてせりふにし、音楽も変えるなど作品をいじりすぎ。そんなことしなくてもわかると思うのですが。。。で、やっぱり、演出はブーイングの嵐でした。写真は歌劇場とカーテンコール。


ベルリン、昼間の観光はサンスーシ宮殿。バッハが晩年に関係したフリードリヒ大王の夏の居城。フルート好きな大王にちなみ、入り口でフルートを吹くバロックコスチュームの男性は、いつもここにいるとか。宮殿外観。フリードリヒ大王のお墓。ジャガイモをドイツに定着させたフリードリヒ大王にちなみ、お墓にはジャガイモが備えられていました。王冠をかぶったジャガイモはご愛嬌。















バッハツアーもいよいよ最終日。朝はドレスデンの聖十字架教会で礼拝に。なんと野外での礼拝で、雨もぱらつきましたがなんとか無事に最後までたどりつきました。聖十字架合唱団の少年たちを指揮するカントールのクライレ氏は、われわれにわか信者も含めた信徒たちの歌の指導をする一場面も。聖十字架教会外観。かつてシュッツも活躍した教会。野外礼拝での少年聖歌隊員たち。
















ドレスデンから再びライプツィヒへ。今日はファイナルコンサートの「ロ短調ミサ曲」。このフェスティバルのファイナルは毎年「ロ短調」と決まっています。日本だとどうしても「ロ短調」より「マタイ受難曲」のほうが人気があるのですが、やっぱり受難曲は「季節物」であり、礼拝のなかでやるものだ、ということが、バッハツアーでここに通っているとよくわかります。やはり「ミサ曲」のほうが時節を問わず、普遍的。バッハもそのあたりも考えて「ロ短調」を作ったのではないかと自然に感じられます。


開演前、会場の聖トーマス教会前のバッハ像周辺。ファイナルコンサートのポスター。カーテンコール。今年の出演者はラーデマン指揮のバッハコレギウムシュトウットガルト.ゲッヒンガカントライ。あのリリングが指揮していたバッハの演奏団体。とてもよかった。とくに合唱のデュナーミクのつけ方の大胆さに惹かれました。指揮者の解釈がよく浸透している演奏でした。














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投稿者名 カリスマ歌子 投稿日時 2015年06月24日 | Permalink