絶滅危惧種「あつもりそう(敦盛草)」
ヨーロッパ・アルプスの可憐なお花たちを見ながら歩くハイキングは毎年大人気ですが、今回は数あるお花の中でも「あつもりそう(敦盛草)」をピックアップしてご紹介します。
「あつもりそう(敦盛草)英名:Lady's Slipper 学名:Cypripedium macranthum var. speciosum」は北半球の山地の草原に生えるラン科の多年草で、高さ30センチほどの茎の先に直径3〜5センチの花をつけます。花の色は淡紅色または紅紫色。袋状で大きな唇弁が特長です。印象的な花姿が災いして乱獲の対象となったこともあり、現在では絶滅危惧種に指定されています。
ところで花の名前の「あつもりそう」ですが、特徴的な唇弁を平敦盛が背負った「ほろ(母衣)」に見立てたものです。ちなみに「ほろ」とは、風船のように大きくふくらませた布のことで、背後からの流れ矢を防ぐために鎧の背中に付けた武具のことです。似た姿の花に「くまがいそう(熊谷草)」というのがあり、こちらは熊谷直実が背負った「ほろ」に例えた花で、熊谷直実が平敦盛を討ち取る平家物語の敦盛の最期の話にちなんで対をなしているそうです。
さて、日本的史なエピソードに話が流れてしまいましたが、この「あつもりそう(敦盛草)」はヨーロッパ・アルプスにも自生しています。日本とヨーロッパでは少し種類が違いますので見比べられたら面白いかもしれませんね。絶滅危惧種なので見つけるのはなかなか難しいようですが、ベテランの山岳ガイドさんは群生している場所を知っているそうです。
…というわけで、こんなツアーをご紹介します。
「あつもりそう(敦盛草)」の群生を見るチャンスかも!?
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