アイスランド・グリーンランド紀行~4日目 その2~

北欧の素晴らしさを伝えるアイスランド・グリーンランド紀行、前回はグリーンランドの首都・ヌーク中心から郊外のツアーについてお話させていただきましたが、今回は雄大な山のハイキングについてお話したいと思います!

■4日目 ヌーク観光(午後1時頃~夜)
お昼を少し回ったころでしょうか。
インフォメーションセンターのある市の中心部から車で15分ほどのところより、開発中の山にたどり着きました。これを考えると、ヌーク市内の車で行ける範囲は、全長40キロほどではないでしょうか。
さすがは世界一人口の少ない首都、と言うべきでしょうか。午前中にいろいろな常識を覆され、少しのことでは驚かない自分もおります(笑)

急なこう配などはありませんが、ピクニックと呼ぶにはあまりに屈強な山です。
この山を山頂・・・まで目指すと翌日の帰りの飛行機の時間になってしまいます。

ガイドさん曰く、休憩を挟みながら3時間ほど歩いた所に絶景スポットがあるとのこと。そこを目指し、2時間半ほどかけて戻ってくるプランとのことです。
3時間も歩くことは久しくなかった私ですが、そこは『海外の誰にも知られていない場所で貴重な経験をしている!』と言い聞かせ、その興奮で疲れをカバーしようと、心に決めました(笑)実際、非常にわくわくしております。


いざ出発です!!
靴ひもを固く結びます。風が強いので防寒着もしっかり着こみました。気温は風も強く、10℃を切るくらいでしょうか。
道は歩道などはもちろんありませんが本当に緩やかで、どこの地面も苔に似た草が一面に敷き詰められ、ふかふかしています。トレッキングシューズでなくウォーキングシューズで十分登ることができました。


クッションのような草。

もちろん、木は一本も生えていません。

自分はどこにいて、何をしているのかわからなくなるような景色です。

景色に感動しながら、そしてガイドさん、ツアーの同行者の方と談笑をしながら歩みを進めます。

同行者の女性はアメリカのノースカロライナ州出身で、娘さんも結婚して今は時間を見つけては色々と各国を旅しているとのこと。うらやましい限りです。
今回はお一人でグリーンランドに来られており、私と同じツアーで氷河を体験したかったとのこと。「天気が崩れて残念だわ」と話されていました。
生まれも文化も年齢も違えども、私と全く同じ日に、全く同じ国で同じことをしようとして同じ天災に見舞われ、こうして今一緒に山を登っている。一期一会とはよく言いますが、何か運命めいたものを感じずにはいられません。

歩き続けて1時間ほどでしょうか。そうこうしているうちに、ガイドさんよりお昼休憩の合図が。
朝に一生懸命作ったハンバーガーの出番です。本場アメリカの方の前で出すのが恥ずかしく、ばれないように慌てて食べ終わります(笑)


今までの人生で一番ネイチャーな場所で食べる昼食でした(笑)

ふかふかの草に座り、皆で景色を見ながらいただく昼食は、格別です。

疲れは全く感じませんでした。
しばらくの談笑の後、再び歩みを進めます。山の感動も相まってか、この頃には皆仲良くなっていました。

近くの景色にも見どころがあり、岩の上に小石が積んであります。
ガイドさん曰く、これには神聖な意味があるとのことです。一体誰が積んだのでしょう。どちらにしろ、私たちが訪れる前にここを通った方がいると言うことが分かりました。未開の地ではなかったことが分かり、少し肩を落とします。


写真中央に積んだ石が。一体誰が、どんな思いで積み上げたのでしょう。

山頂に近いところでは、9月にして初雪に触れ合うことができました。

ガイドさんが傾斜の雪を掘って足場を作ってくださり、即席の滑り台が完成し、「滑ってみなさい」とのこと。
折角作ってくださったのに一度だと悪いな、と思いしばらく滑り続けます。正直、楽しかったです(笑)


冬から残っている雪は固めで、よく滑りました。

雪遊びも終え、ゴールの絶景スポットが見えてきました!!!予定通り、歩き続けて3時間ほどで到着しました。


言葉をあてるなら、桃源郷のような場所です。

間違いなく今まで見たことがない景色。写真では伝えきれないのが残念です!

写真で伝えきれない景色が360度、全方位に広がっております!!!!

分かりやすく例えるなら、指輪が物語の鍵となるあの大作映画に出てきそうな景色とでも言いましょうか。

3時間のウォーキングもどこ吹く風で荷物を置き、未開の地ではしゃぎ続けます。
日本人でここに来たことがあるのは恐らく私だけなのでは、と考えてテンションが上がります。

ここに湧いている泉の水は飲めるとのこと。

物価が高いグリーンランド。スーパーで購入した日本円にして300円近くしたミネラルウォーターを全て捨て、泉の水をチャージします(笑)


全員で水を捨て、水をくみ直します(笑)

ペットボトルを使わずに、手できんきんに冷えた水をすくって飲んでみます。うまい。

景色の雰囲気もあるのかもしれませんが、間違いなく人生で一番美味しかった水でした。自分ランキング『名水100選』の不動の一位にランクインしました。更新されることは、今後恐らくないでしょう。

ペットボトルに水をくんだにも関わらず手でもすくってがぶがぶと飲み続け、もうお腹はぱんぱんです(笑)
ボトルの水は下山後のお土産にと鞄にしまい、しばらく景色を楽しみます。

今後もずっと覚えておきたい景色です。必死に見て、まさに目に焼き付けておきます。

また何年、何十年か経っても良いのでもう一度訪れてみたい景色が、ここにはありました。

ガイドさんよりお声がかかり、続いては下山となります。
来た道を戻るだけなのですが、反対方向の景色もまた違った楽しみがありました。


帰り道、反対方向は海を眺めながらのハイキングです。

途中の休憩で、ガイドさんがコーヒーを入れてくださいました。
グリーンランドのお菓子もいただきました。レーズンサンドのようなビスケットで、疲れた体に嬉しいお菓子でした。


コーヒーのコマーシャルにもそのまま使えそうな光景です。

地面にベリーがなっていることを教えていただきました。
よく見ると、そこかしこがベリーだらけ、食糧の宝庫であることに、このタイミングでようやく気づきます。
一粒つまんでみると、少し苦味のブルーベリーのような味がしました。

ふかふかの草に寝転がり、空を見ながらベリーを食べ続けます。
こんなに開放的な気分はいつぶりでしょうか。
北欧は雲が日本よりも近い気がします。


ここで眠ってしまったら、どうなってしまうのでしょう。

グリーンランド語をいくつか教えていただきました。山。海。岩。くっつき虫のような実など・・・
今となっては山の「カカ」という言葉しか覚えていません。ガイドさん、申し訳ありません(笑)

その後も何回か休憩を挟みつつ、下山。


あっと言う間の5時間でした!!

ふもとに停めていた車でヌークセンターの隣に位置するカルチャーセンターなる建物に送っていただき、晩御飯です。

色々なものをいただきたかったので、タパスを注文しました。


ここでは珍しい、近代的な建物です。

どれからいただこうか、目移りしてしまいます!

大皿に様々な料理が少しずつ、並んでいます。
安定のエビはもちろん美味しかったのですが、鹿や白身魚の干物のようなものも美味しい!大満足の晩御飯でした。

時刻は午後7時を少し回ったところ。
この後は一旦家に帰って、午後9時にもう一度カルチャーセンター前に来てくれれば案内するよ、とガイドさん。一度解散となりました。
次はいつ行けるかわからないグリーンランド。家に戻るととてつもない眠気に襲われましたが、ここで終わらせるわけにはいきません。家で必死に中身のわからないテレビを見続け、時間をつぶします。

次回はグリーンランド最後の夜、そしてアイスランドへの帰国について、お話したいと思います!!

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to be continued...


投稿者名 レモーネ 投稿日時 2015年12月22日 | Permalink