アイスランド・グリーンランド紀行~5日目 その3~

北欧の素晴らしさを伝えるアイスランド・グリーンランド紀行、前回はゴールデンサークルのゲイシール(Geysir)、グトルフォス(Gullfoss)の滝を見たところまでお話させていただきましたが、今回はようやく、一日目の目的地ヘプン(Höfn)村の宿泊までお話しできそうです!!

■5日目 ヘプン村宿泊
時刻は午後3時を少し回ったころ。ゴールデンサークルへの時間を予定よりも長く割いてしまい、このまま車を走らせても到着する頃には周囲は暗くなっているかもしれません。
ゴールデンサークルを全て周りきりました。どれも素晴らしかったのですが、個人的に一番印象が強かったものはグトルフォスの滝でした。後日も大きな大きな滝を拝見することができ、今ではすっかり滝の魅力にとりつかれております。日本の趣ある滝も、近々見に行きたいものです。

まっすぐな道を軽快に飛ばしていると、大量の羊、羊、羊・・・・わたあめのような姿に目と心を奪われますが、必死に前を向き運転に集中します。


時間がないため、追い回したい気持ちをぐっとこらえます。

ほどなくして、ゴールデンサークルの仲間には入っていませんが知る人ぞ知る有名な滝、セリャラントスフォス(Seljalandsfoss)に立ち寄ります。こちら、現地のゴールデンサークルツアーにも組み込まれることもある滝で、ただの滝ではありません。裏側がくりぬかれたような形になっており、なんと滝を後ろから見ることができるのです!!


もちろん、遠くから眺めても十分魅力的です。

ここにも観光客の方々、たくさんいらっしゃいました。
前回紹介したグトルフォス(Gullfoss)の滝のような崖などはないため、どこまでも近づくことができます。滝の横に裏側へ通じる階段がありました。少し登っていくと、なんとここでも、真横に虹を拝むことができました!虹と滝。なんと素晴らしいコラボレーションなのでしょうか!!


真裏に行く前にも、絶景に出会えました!

このあたりからたくさんの水が全身にかかりますが、この絶景を前にかまってはいられません。
水で滑る階段に注意しながら、滝の真裏へと到着しました。


裏側の道は、このようになっております。びしゃびしゃです。

滝越しに見える自然。言葉になりません。

日本にも裏側に行ける滝があるお話は聞いたことはありますが、恐らくセリャラントスフォスの滝の方がスケールは大きいことでしょう。近くに行くとグトルフォスの滝と同じくらい大きな音で、会話などはとてもできません。

しばらくマイナスイオンを豪快に(笑)浴びてから再びよく滑る階段を下り、車へ戻ります。
車に戻りしな売店でドーナツとコーヒーを買い、食べながら運転をします。なんだかすっかり海外に馴染んでいる気持ちになります。これも密かに海外でやりたいこととして、憧れていたことのひとつでした(笑)


滝の目の前のお店。写真にはありませんが、ここでドーナツとコーヒーを購入しました。

時刻は18時を周り、少し西日になってまいりました。
ゴールデンサークルは周り切ることができましたが、アイスランドで主だったな見どころがあるのは南側でのこの一日。もう少しだけ、やりたかったことが残っています。

セリャラントスフォスの滝からもう40分ほど車を走らせるたところに、このブログでは何回も話題に出しているシガーロス。彼らのドキュメンタリー番組で登場した、墜落した飛行機があるのです。
・・・ただの飛行機。大多数の方はそう思われたことでしょう(笑)
数十年前に墜落した米軍の軍用機とのことで(当時の乗組員は全員無事だったとのことです)、アイスランドらしく機体は回収されずに自然にまかせ、そのままの形で残されているのです。

・・・だからどうしたんだ。大多数の方は再び、そう思われたことでしょう(笑)
それでも折角訪れたアイスランド。悔いのないよう、気になったところは全て見ておきたいのです。


これに似た景色を、DVDで何回も見てきました(笑)

アイスランドをぐるりと走る国道1号線を5キロほどそれた場所に飛行機はあります。曲がるポイントは地図ではこの辺り、と言う場所まで来ました。曲がるポイントに道路は敷かれていません。不安でいっぱいな気持ちになりながら、ゆっくりと車を走らせます。

と、数台の車が停まっているポイントにやってきました。看板もあります。


上段はアイスランド語です。

上段の文字は言語はさっぱりわかりませんが、下段の英語は読めます。

「飛行機のポイントまで4KMあり、四駆の自動車でなければオフロードなので走れません」とのこと。
残念なことにレンタルしている車は四駆ではありません。朝はあれだけちやほやしていたこの車が、急に憎たらしくなってきました(笑)4KM歩く、と言う選択肢もあるにはあるのですが、夜の6時から往復約2時間をロスすることはできません。何より、周囲には街灯はもちろん、目印にする建物や岩もないため、歩いても方角の検討がつかないのです。
私をわき目に飛行機のポイントへと走る屈強な四駆自動車をいじらしく見ることしか、ここではできませんでした。

ここはまたいつか行くであろう次回の課題として、泣く泣く通過します。
看板まであるということはちょっとした観光スポットにもなっているようです。よくよく考えれば、墜落した飛行機がそのままま何もされずに放置されているというのは、世界的にもとても珍しい光景なのかもしれません。

続いて目指すのは、ようやくヘプン村・・・にはまだ行きません(笑)最南東に位置する氷河を目指します。ヨークルサゥルロルン氷河湖(Jökulsárlón)と言い、日本人にはとっても発音しずらいのですが、そんなことは何も気にならないくらい驚きの光景が広がっているのです!
こちら、ゴールデンサークルツアーと一緒に回るツアーも実施されている有名な場所です。その場合はレイキャヴィークより朝出発、夜中戻りといった一日かけたツアーとなります。

氷河までの道のりは看板の場所から3時間ほど。
19時ごろ、途中のガソリンスタンド兼レストランで休憩を挟みます。こちらの場所は氷河ツアーの休憩・給油地点として、ほぼ必ず立ち寄る場所となっておりますので、アイスランドに行かれる予定の皆様も、「ここはあのブログの!」と、思い出していただけましたら幸いです(笑)


奥の部屋はレストランになっており、ハンバーガーなどを食べることができます。

長い夕陽の景色に、岩場が映えています。

次のガソリンスタンドはどこにあるのかもわかりません。
まだメーターには余裕がありましたが念のために給油をしつつ、お店の裏手に行き夕陽に映えた砂浜の景色を楽しみます。ここの砂はどれも真っ黒で、苔の緑と雪の白に囲まれた内陸とはまた違った景色を見せてくれました。そんなこの浜に、私は「ブラックサンドビーチ」と勝手ながら名づけることにしました(笑)

再び車を走らせること2時間弱。この時間はレイキャヴィークではもう少し明るかったはずなのですが、すっかり陽も落ちてしまいました。

近くに村もないため街灯も家の明かりもなく、360度四方で数メートル先も見えない景色が広がります。
車のハイビームを照り返してくれる、道路の反射板だけが光源です。道路の下は草むらなのか、それとも海か、もう氷河なのか、羊はいるのか、様々なことを思いながらも答えは見つかりません。ここまでの暗闇は今まで経験したことがありません。ましてや異国の地。なんだか怖くなってきました。

延々と続くまっすぐな道を走らせているので、頭がぼーっとしてきます。幻想的なアイスランド音楽は寝てしまいそうです。アイスランドでは決して聴くまいと決めていた馴染みのあるJ-POPで、何とか恐怖と眠気を紛らわせます(笑)
ようやく氷河の看板が目につき車を停めます。時刻は夜9時を回ったところ。
暗闇に君臨する目の前の景色は、ただただ怖かったです。畏怖、とでも言うのでしょうか。


肉眼では一面の氷河が広がっています。

これだけ見ても何も伝えることはできませんね(笑)本来ならば明るいうちに画像をお届けしたかったので、前回訪れた時の光景を、お届けさせていただきます。


岸から見える景色でここまでのスケール!眼前に悠々と氷河が広がっています。


その時代の光の射し込みにより、氷は青くなります。


数年前も今も、自然が生み出したこの光景は恐らく何万年も前から変わっていません。

日中は砕氷船に乗り氷河の海を直に体験することができます。
また、沖には優雅に泳ぐアザラシの姿も見ることができて大興奮したこと、船員さんが海に浮かぶ氷を取ってくださったものを舐めてみて、海に浮いているのに塩の味がせずに驚いたことを、今でも覚えております。


氷河ツアーで乗った、水陸両用の小型砕氷船です。

話は戻り、現在に。
暗闇の中で氷河をしばらく眺めていました。
ツアーのお客様はもちろんいません。個人旅行の観光客の方々もこの時間には誰もいらっしゃらないので、自分だけの世界を感じることができました。ただ、北の果ての地の孤独は、とても怖かったです(笑)

これで今日一日で実現したかったことを全て、行うことができました。
あとはヘプン村の宿を目指すのみです。

車を1時間弱、北側に走らせます。時刻は夜の10時を少し回ったところ。今まで何もなかった景色の中に、ぽつりぽつりと街灯を確認することができました!ヘプン村に到着です。

町並みは中心のみスーパーや家々が立ち並び、コンクリートで綺麗に舗装されていますが、一番栄えていてレイキャヴィークの外れ、ほどのにぎわいとなっています。お店は夜間のためレストラン、スーパーなど全て閉まっていました。散策する所もないので、まっすぐ宿を目指します。


多目的スペースです。

受付を済ませ、中に入ります。
登山の格好をした方々がたくさん泊まられていました。もちろん、日本人は私だけでした。登山の格好もせずこの場所に来るのは異様なのか、はたまたアジア圏の観光客がここまで来るのは珍しいことなのか、様々なところからもの珍しい視線を受けます。


ベッドのみの部屋。寝るだけで利用するのであれば不自由はありません。

本日はいろいろなものに驚き通しの一日となり、その全てが自然でできたものでした。
この先一生忘れられない景色をたくさん見ることができました。アイスランドは近年、観光大国として一躍有名になり、世界中からたくさんの方々が訪れていますが、このむき出しの自然を汚されることなくいつまでも維持して欲しい、と強く感じる一日となりました。
長い長い一日を終え、ベッドに横になった途端、深い眠りに落ちてしまいました。

全3回に渡りお届けした内容、いかがでしたでしょうか?(途中期間が空いてしまったこと、お詫び申し上げます)
この日一日で観光した場所は、アイスランドに行くに当たり必ずと言って良いほど訪れる場所となっております。少しでも旅のご参考にお役立ちすることができましたら幸いです。

次回はヘプン村から約11時間とパワフルなドライブを経てアイスランド北部にある第二の都市、アークレイリ(Akureyri)観光について、情報をお届けしたいと思います!



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to be continued...


投稿者名 レモーネ 投稿日時 2016年05月02日 | Permalink