~平安時代のスーパースターはイケメンサッカー選手?~ 熊野詣は願いを叶えます
東京2020でのU-24サッカーはあと一歩のところで惜しくもメダルを逃しましたが、サッカーファンにとっての本命はFIFAワールドカップカタール2022。アジア地区第一次予選は1位通過、今年の9月2日(木)より最終予選が始まり日本が所属するグループBの初戦はオマーンと対決します。まずは上位2チームに入り、2022年11月21日より開催されるワールドカップに出場できるようサムライブルーを応援しましょう。
JFA(日本サッカー協会)のシンボルマークはカラス。足が三本ありサッカーボールをガシっと掴んでいます。この鳥の正体は熊野で難儀していた初代神武天皇を大和の橿原へ導いたとされる八咫烏(やたがらす)。
八咫烏がシンボルマークに採用されたのは、明治35年にア式蹴球部を設立した功績者、中村覚之助が熊野の出身だったから、といわれています。もう一人、忘れてはならない人物として、熊野と深いつながりがあり、日本の古式スポーツ蹴鞠(けまり)をこよなく愛した平安時代のスーパースターがいらっしゃいました。
時は平安後期、熊野御幸を9回行った白河上皇に仕えた貴族に藤原成通(ふじわらなりみち)という公卿がいました。藤原北家出身で曾祖父、祖父とも右大臣を輩出した名門家系。眉目秀麗にして、人柄も良く、笛・乗馬・和歌の達人として知られ、特に蹴鞠においては「蹴聖」と称賛されるほど尋常ならぬ技をお持ちだったとか。『古今著聞集』によりますと、蹴鞠場に立つこと七千日、内二千日は病に臥しても鞠を足にあて、大雨の時は大極殿で鞠を蹴っていました。千日目の満願の日、鞠と供物を捧げ祝宴を饗した夜、鞠を抱いた顔が人、手足体は猿で、3~4歳の子ほどになるものが3人現れ、誰かと問うと「鞠の精霊です」と答えます。
毬の精曰く、人が蹴鞠をしているときは毬に憑き、しなくなると柳の林に戻ると言い、「人々が蹴鞠を愛好する時代は国も栄え、よい人が政治をし、福がもたらされ、寿命も長く、病気もない。また、人の心はたえず思い乱れるものだが、蹴鞠の愛好者は庭に立てば毬のことだけ考えるので心が軽くなり、輪廻転生にもよい影響を及ぼす縁が生まれ、功徳も進む」と説き消えたそうです。
古代オリンピックの起源が神託による戦争終結と疫病蔓延防止が目的であったように、古来よりスポーツに夢中になれるときは平和で人の心も安定している、スポーツの力は時代も超え、世界共通なのですね。
幻想文学の巨匠、澁澤龍彥(1928-1987)は唐草物語という短編集の中の一編「空飛ぶ大納言」で、成通と鞠の精霊との出会いをモチーフにし、なにがなんでも蹴鞠が上手くなりたい成通がふあふあと空中で舞い上がり、精霊と遊ぶという楽しい様子を描いています。
このように身の軽い成通でしたが、やりすぎエピソードも残っています。父の藤原宗通に従って清水寺に参籠(社寺に籠り祈願を行うこと)なさったとき、舞台の高欄を沓を履いて渡りながら鞠を蹴り、往復したそうです。清水の舞台は高さ12m、ビルの4階に相当し、欄干の幅わずか13cm、長さ23m。見ていた人々は恐怖で顔色を失ないました。これを父上がお聞きにり、「そのような(愚かな)ことをする者があるか」と怒って参籠から追い出し、ひと月ほど家にも寄せつけられなかったそうです。
父上がお怒りになるのは無理もないことですが、精霊が憑いているからこそ成せる技、果たして可能なのか?。2019年のテレビ番組でこれを検証しようと欄干を模したセットで名だたるサッカー選手などが挑戦し、唯一成功したのは天才キッズの小学生でした。
成通は大納言の位で出家したため、右大臣、左大臣になれなかったことを惜しまれたそうです。とはいえ、現代なら大納言は国務大臣クラス。さらには一流のサッカー選手で颯爽とスポーツカーを乗りこなすイケメン、フルートを演奏し、歌もうまいスーパースター・・・。さぞかし、ちゃらい男性と思いきや、成通は大変信心深く熊野の大信者で50回も参詣しています。
あるとき、熊野本宮大社で拝礼の後、うしろ鞠(後ろ向きに踵でリフティングすること)を奉納されたところ、200回上げて落とさなかったそうです。この夜、夢に別当が現れ「これほど素晴らしい美技に褒美を与えないわけはない」と言い梛(ナギ)の葉を与えられました。翌朝目覚めると手のひらにご神木の梛の葉が握られていたそうです。
*梛:常緑の針葉樹。葉をお守りとする風習もあり、古来から縁結びや災難除けの木で熊野では神木として祀られています。
この他にも逸話に枚挙を厭わない成通ですが、なにより信心と努力が人にも、神仏や精霊にも愛された理由であったと思えます。熊野を訪れ、平安時代のスーパースターの足跡をたどる旅は人生を豊かにしれくれそうです。また、熊野御幸についてはこちらのブログもぜひご覧ください。以下のクルーズが熊野を訪れることができます。
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熊野大花火 [花火で巡る日本 8月]
300年以上の歴史がある熊野大花火大会は毎年8月17日に三重県熊野市の七里御浜海岸で開催されます。
見どころは全速力で走る2隻の船から点火した花火をつぎつぎと海に投げ入れ、船を追うように海上で花火が開くスリリングな海上自爆、また重さ250kgの三尺玉が海上で花開き直径600メートルにも広がる豪華な三尺玉海上自爆、そして、ここでしか体験できない「鬼が城大仕掛け」です。
国の名勝天然記念物でもある鬼ヶ城という岩場や洞窟を利用した仕掛花火は、岩場や洞窟といった自然の地形を利用して行うため、岩場ならではの反射音や洞窟での響鳴音が加わり大迫力でフィナーレを飾ります。
熊野大花火には、クルーズ船も大集合。3隻が寄港して港に華を添えます。
ダイヤモンド・プリンセス 熊野大花火と夏の日本南国めぐり・韓国 8日間 <2018年8月15日出発>
旅行期間:2018年8月15日(水)~8月22日(水)
出発地/帰着地:横浜港
日数:8日間
飛鳥II 鳥羽・熊野大花火クルーズ 4日間 <2018年8月16日出発>
旅行期間:2018年8月16日(木)~8月19日(日)
出発地/帰着地:横浜港
日数:4日間
にっぽん丸 夏休み 熊野大花火大会と徳島クルーズ 3日間 <2018年8月17日出発>
旅行期間:2018年8月17日(金)~8月19日(日)
出発地/帰着地:四日市港
日数:3日間
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