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笑いもある楽しい舞台オペレッタ“こうもり” ~今宵はにっぽん丸で観劇としゃれこみましょう~


Die Fledermaus (Moscow Operetta) Anna Novikova and Oleg Korzh, July 15, 2012


 ヨハン・シュトラウス2世は「美しき青きドナウ」を作曲したワルツ王、誰しも知る19世紀に活躍した偉大な作曲家です。彼はオペレッタの作曲家としても名を馳せていて、中でも最高峰とされる作品「こうもり(Die Fledermaus)」を作曲したことはご存知ない方も多いかもしれません。


米国の高校で公演した「こうもり」のポスター

 オペラについてはこちらのブログでもご紹介した通り、16世紀末から17世紀初頭にイタリアで誕生した「歌劇」とも呼ばれる舞台芸術で上演時間も長く、悲劇であることが多いのです。
 「オペレッタ」はイタリア語の小さいオペラ(Operetta)に由来し、「喜歌劇」「軽歌劇」などと訳されます。米国のポスターにはCOMIC OPERAと掲載されているように軽妙なお話と歌による娯楽的な作品が多いようで19世紀にパリでブームとなりました。 
 オペレッタ「こうもり」はヨハン・シュトラウスの優雅なウインナ・ワルツの旋律が全編を彩り、全世界で愛され、ドイツ語圏では年末年始恒例の出し物となっています。2016年に宝塚歌劇団の星組が谷 正純の演出で公演を行っていますので鑑賞された方もいらっしゃるかもしれません。


 2013年より実施し、毎回好評を博している藤原歌劇団によるにっぽん丸オペラクルーズは2022年12月にオペレッタ「こうもり」を上演することになりました。「こうもり」はオカルト話やスリラーではなく、「いたずら」によりこうもりの姿で人前にさらされた博士が愉快な「しかえし」をする三幕の物語です。日本語上演で華やかな舞踏会のシーンも見所です。なんだか面白そうですね。ではあらすじをご紹介しましょう。
※あらすじは参考です。実際の演出とは異なる場合がありあす。


<出演>
アイゼンシュタイン(金持ちの銀行家)・・・・・・・・・・・・・藤田 卓也
ロザリンデ(その妻)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐藤 亜希子
フランク(刑務所長)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・坂本 伸司
オルロフスキー公爵(ロシアの貴族で遊び人)・・・・・・・城守 香
アルフレード(音声教師でロザリンデの昔の恋人)・・・所谷 直生
ファルケ博士(アイゼンシュタインの友人)・・・・・・・・・押川 浩士
アデーレ(ロザリンデの小間使い)・・・・・・・・・・・・・・・・・横前 奈緒


<第一幕 アイゼンシュタイン邸の居間>
時は1874年の大晦日、オーストリアの温泉地イシュル。以前(物語が始まるまでの事情)、ある仮装舞踏会に帰りアイゼンシュタインは酔ったファルケ博士を「こうもり姿」で道端に置き去りにし、そのためファルケ博士は街中で「こうもり博士」と呼ばてしまい、いつか、アイゼンシュタインに仕返ししたいと考えていました。

大晦日のこの日、アイゼンシュタインは公務員を侮辱した罪で、短期間とはいえ刑務所に入らなければならなくなりました。そこへファルケ博士が登場。楽しいパーティがあるから刑務所に入る前にこっそり行こうと誘います。喜んだアイゼンシュタインがパーティに出かけた後、家に残された妻ロザリンデのところに、元恋人のアルフレートがやって来ます。ロザリンデが迷惑がるのをよそに、アルフレートがまるで本当の夫のように振る舞っていると、ちょうどそこに刑務所長フランクがアイゼンシュタインを迎えに来ました。アルフレートは今更、夫でないとは言えずに刑務所に連行されます。


From a July 2009 production of Die Fledermaus at the Opera Theater of Pittsburgh

<第二幕 オルロフスキー公爵邸の舞踏会場>
さてその晩、ロシアの大貴族オルロフスキー公爵のパーティにアイゼンシュタインが訪れると、なぜか自分の家の女中アデーレに似た女性を見かけます。おかしいなと思いつつもそのことはさておき、仮面を付けた美しいハンガリーの貴婦人を見つけ、夢中になって口説こうとします。実はこの貴婦人の正体は彼の妻ロザリンデ。すべてはファルケ博士の仕組んだワナ、ロザリンデは口説かれるふりをしながら、アイゼンシュタインの懐中時計を奪います。これが動かぬ証拠となるのです。


ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)

<第三幕 刑務所長フランクの部屋>
元日の早朝。酔いも残るアイゼンシュタインが刑務所に出頭してみると、すでに見知らぬ男(つまりアルフレート)が自分の代わりに牢屋に入っているではありませんか。アイゼンシュタインは弁護士に変装して様子を伺っていると、そこにロザリンデがやって来て、アルフレートを牢から出してほしいとアイゼンシュタイン扮する弁護士に相談を始めます。怒ったアイゼンシュタインが正体を明かし、妻を責め立てると、ロザリンデは昨夜奪った彼の懐中時計を見せます。頭を抱えるアイゼンシュタイン。そこへファルケ博士がパーティの参加者とともに現れ、すべては自分の仕組んだ芝居だったのだよ、と種明かしをしたのでした。
※参考WEBサイト(わかる!オペラ情報館)
※舞台の画像は藤原歌劇団ではありません。

 いかがでしたでしょうか。オペラはちょっと難しそう、と思っていた方もオペレッタ「こうもり」にはご興味を持っていただけたのではないでしょうか。にっぽん丸のオペラクルーズは今回も週末利用でご参加しやすい日程です。上級の客室はお席が選べるのでお早目のご予約をおすすめいたします。

♬2022/12/2(金)▶12/4(日) にっぽん丸 オペラクルーズ 3日間
~藤原歌劇団公演 歌劇 ヨハン・シュトラウス作曲「こうもり」~ (日本語上演
)
横浜-<航海日>-横浜

※オペラ鑑賞は全席指定席です。スイート・デラックスルームのお客様は、ご乗船日までに優先的に座席をお選びいただきます。ステートルームのお客様は、乗船日の抽選により座席指定の順番を決定させていただきます。


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投稿者名 emix-remix 投稿日時 2022年07月20日 | Permalink

洋上で楽しむ本格オペラ“蝶々夫人” ~にっぽん丸は華やかな歌劇場に変身します~


藤原歌劇団「トスカ」(2020年にっぽん丸公演)


#にっぽん丸 #クルーズ #蝶々夫人 #オペラ 

 クルーズの楽しみ一つは夕食後に行われるゲストエンターティナーによる歌唱や演奏、ダンスパフォーマンス、ミュージカルなど、夜を彩る一番のイベント言っても過言ではありません。ご自宅からわざわざ都市部に出かけることもなく、ショーの会場までお部屋からわずか1分。さあ、今宵は特別、本格的なオペラが原語(イタリア語)で開催されるので、本場にならいドレスコードもフォーマル。船内は華やかな雰囲気に包まれロングドレスやタキシードも様になります。 


マッシモ・ベッリーニ劇場(シチリア島)

「オペラ」とは、役柄に扮した歌手による歌唱やオーケストラによる演奏を中心に演劇をすすめるイタリア発祥の舞台芸術で、「歌劇」とも呼ばれます。16世紀末から17世紀初頭にかけてイタリア中部の都市フィレンツェで古代ギリシャの悲劇を元に考案された演劇をルーツとしており、作品内容は悲劇が多く、演奏される音楽はクラシック音楽であることが一般的です。

 イタリアにはミラノのスカラ座を始め、本格的な歌劇場が18か所ありオペラやバレイが上演されています。歌劇場と言えば、映画に出てくるようなボックス席のある豪華な造りを連想しますよね。座席は大きく3つに分かれ、料金は正面1階のアリーナ席(プラテア)、ボックス席(パルコ)、天井桟敷(ガレッリア)の順となります。2022年の秋にローマのオペラ座で上演される「トスカ」は最も高額な席で約17,000円、ボックス席のさらに上にある天井桟敷なら3,000円ほどで鑑賞できます。オペラグラス必携ですが、全体を眺めることができるのが魅力です。


ジャコモ・プッチーニ(1858-1924)

 日本人にとって最も知られたオペラはやはり“蝶々夫人”。「ある晴れた日に」というアリアはあまりにも有名です。元々は長崎を舞台にした没落藩士令嬢の蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの悲劇を描いた米国の短編小説が戯曲化されたもので、イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニがオペラの作品にしました。初演は1904年ミラノのスカラ座で上演されたのですが、1幕が長すぎると不評・・・その後改稿されてプッチーニを代表する作品のひとつとなりました。

 オペラは元来イタリア語、にっぽん丸 新春のオペラクルーズでは藤原歌劇団による原語上演が行われます。え?イタリア語なんでわからない、と慌てないでください。字幕はつくのですが、そうではなくて複雑なオペラのメロディーを堪能するのなら、やはり無理に翻訳して字余り(字足らず)になってしまう日本語よりイタリア語の方が良いのです。
 それでは、オペラ蝶々夫人のあらすじをご紹介します。二幕だけなのでとてもシンプルな内容、あらすじをあらかじめ知っていただければ、より楽しんでいただけるかと思います。


谷 明美(ソプラノ 蝶々夫人を演じます) 

<出演>
谷 明美(ソプラノ) 蝶々夫人役
澤崎 一了(テノール) ピンカートン役
折江 忠道(バリトン) シャープレス役
米谷 明子(メッゾ・ソプラノ) スズキ役

<第一幕のあらすじ>
時は1890年代、舞台は長崎の港を見下ろす丘に立つ家(グラバー園が舞台のイメージです)。アメリカ海軍士官のピンカートンは、「いつでも破棄できる条件で」現地妻として蝶々さんと結婚します。アメリカ総領事シャープレスが、ピンカートンの行為は軽率だと忠告しましたが、彼は聞く耳を持ちません。


蝶々さんは武士の家に生まれましたが、父が切腹するなど没落して芸者となっていました。このとき15才。結婚を心から喜んでいて、親族に内緒でキリスト教に改宗しました。しかし、その改宗に怒った親族に勘当されてしまいます。悲しむ蝶々さんでしたが、ピンカートンが彼女をなぐさめ、夕暮れの中、二人の美しい愛の二重唱が奏でられて一幕は終わります。


グラバー園 ©長崎県観光連盟

<第二幕のあらすじ>
結婚生活も束の間、ピンカートンがアメリカに帰ってしまって3年が経ちました。彼の帰りをひたすら待つ蝶々さん。
女中のスズキが「外国人の夫が戻ってきた例はない。」と言うと蝶々さんは怒って「彼はコマドリがヒナをかえす頃に戻ってくると言った。」と返します。そして有名なアリア「ある晴れた日に」(ピンカートンが戻ることを夢見ている)を独唱します。

ある日、総領事シャープレスがピンカートンの手紙を持って現れます。シャープレスはその手紙を蝶々さんに読んで聞かせようとしますが、ピンカートンの帰りを信じる蝶々さんを前に最後まで読むことができません。逆に、二人の間にできた3才の子を見せられ、ますます真実を話せなくなりました。シャープレスが帰ったあと、蝶々さんは長崎の港にピンカートンの所属する軍艦が入港したことを知ります。そして喜んで彼の帰りを待つのでした。
 
一晩中寝ずに待っていましたが、彼は帰って来ません。朝、蝶々さんが子供と寝室で休んでいると、ピンカートンとその妻ケートが訪ねてきます。女中のスズキから蝶々さんの思いを聞いたピンカートンは深く反省し、「花咲く愛の家よ、さようなら」と歌い去っていきます。直後に蝶々さんが起きてきて、アメリカ人女性の姿を見たとき、彼女はすべてを悟ります。子供を預かるというケートの申し出に、蝶々さんは彼が迎えに来るなら渡すと言いました。そして、ピンカートンが駆けつけたときには、すでに彼女は父の形見の短刀で自害していたのでした。
※上記内容は実際の上演とは異なる場合があります。


グラバー園 蝶々夫人像(三浦環広場)
©長崎県観光連盟

 蝶々夫人のお話は悲劇ではあるのですが、現実はどうだったのでしょうか?江戸末期、1859年の開国後、当時の長崎では蝶々夫人のように貧しさから外国人の妾になる日本女性がいたようです。実際は蝶々夫人のように夫の帰国後に自害するような事例はなく、また別の外国人や日本人と結婚するたくましい女性であったのです。
 とはいえ、欧米人がアジア女性に抱く控えめで夫に尽くす日本人妻、というイメージが美化されてこのようなお話になったと推察されるようです。時代の荒波を越えた幕末の女性にほっとしながらも「ピンカートン帰国後は優しい日本人の夫と再婚しました」、が結末ではオペラにならないので仕方ありませんね。


 さて、にっぽん丸は2022年も好評の新春オペラクルーズを実施します。ドレスコートはフォーマルとなり、二夜連続でオペラ蝶々夫人をお楽しみ下さい。全席指定席となり、スイート、デラックスルームのお客様はご乗船日までに座席をお選びいただけます。ステートルームのお客様は乗船日に抽選し、座席指定の順番を決定します。年始から、洋上でオペラ鑑賞とはとても素敵な1年になりそうですね。満船必至の人気クルーズですのでお急ぎお問合せ下さい。

 ✿2022/1/8(土)▶1/10(月) にっぽん丸 新春のオペラクルーズ 3日間
 ~藤原歌劇団公演 歌劇「蝶々夫人」G.プッチーニ作曲 原語上演・字幕付き~

 横浜-<駿河湾>-横浜

 にっぽん丸は新型コロナウイルス感染症への取り組みとして、すべてのお客様に当面の間、事前および乗船当日のPCR検査(船会社指定)を2回実施します。新型コロナウイルスのワクチン接種がお済みの方も、本対応が適用となります。感染予防対策の詳細は郵船トラベルにお問合せ下さい。

にっぽん丸の新コースの一覧はこちらをご覧ください。ご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、またはコース詳細の【旅行代金・お申込み】から!! お待ちしております!!
■東 京☎ 03-5213-9987 
■神 戸☎ 078-251-6218
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投稿者名 emix-remix 投稿日時 2021年12月13日 | Permalink