癒しの屋久島、神秘の時間 ~日本が凝縮された自然に抱かれる旅へ~


 内閣府が公開している日本の国境離島WEBページによりますと、日本は約6,800の島から成り立ち、本州、北海道、四国、九州、沖縄を除く有人離島は418を数えます。
 有人離島のひとつ、屋久島は本州から数えて面積ランキングでは13位で約504k㎡。淡路島より少し小さく、本州の1/452の面積ではあるものの、この島には垂直分布と言う九州から北海道まで、亜熱帯から亜寒帯の植生が凝縮されているのです。この極めて稀有な環境が世界自然遺産日本第一号に登録された理由の一つとなっています。


垂直分布図 画像提供:屋久島町屋久杉自然館

 日本の島なんてどこも同じようなものと思って屋久島を訪れたら驚きの光景を目の当たりにします。クルーズ船が着岸する宮之浦港は当たり前ですが海抜0メートル。島の最高峰宮之浦岳は標高1,936mで島のほぼ全域が見上げるような急こう配の山地で占めています。宮之浦岳は鹿児島県のみならず九州最高峰。8位のネマチ(標高1,814m)まですべて屋久島の山なので、洋上のアルプスを呼ばれるのも納得です。

 さて、眩しい太陽が輝くある夏の日、宮之浦港でクルーズ船を降り立つと気温は30℃。潮風が心地よく、都会の30℃とは爽やかさが違います。初めて屋久島を訪れたのなら、もののけ姫の森のモデルとなった苔むす森と白谷雲水峡は外せません。屋久島を訪れる人の多くが宮之浦岳までの登山を希望するのですが、標高1,360mの淀川登山口からでも往復最短10時間。残念ながらクルーズ船では時間的に難しそうです。


 白谷雲水峡で標高600m、ここから苔むす森を目指す標高差約200m程度の4時間のトレッキングコースがあり、道も整備されているので、普段山歩きをされている方なら難なく楽しむことができます。ただ、出発前に準備品としてトレッキング用品の他、必ず雨具、それも傘だけではなく、レインウエアを用意するように言われました。それもそのはず、巨石の隙間に激しい水しぶきとともに、とてつもない勢いで水が流れてきます。
 トレッキングをすすめていくと周囲は緑色に染まる濃い霧にすっぽりと包まれました。森の神様がお住まいになっているとしか思えない神秘の時です。そして雨、海岸の好天が嘘のようです
 

 屋久島はひと月に35日雨が降るとも言われ、年間降水量(1981年~2010年統計)は4,477mm。東京都が1,528mmですから約3倍の雨が降っていることになります。この豊な水が苔むす森を育んでいるのです。


 霧の間になにやら動く気配が・・・森の神様を守る眷属なのか、ヤクシカが屋久杉の間からこちらを見つめています。屋久島には人間2万人、ヤクシカ2万頭、ヤクサル2万匹が共生すると言われ、一説では人が住むはるか昔、まだ屋久島が九州と地続きだった氷河期に渡ってきたとされています。彼らは西部林道あたりの道路にも出てくるので見かけることは容易いようです。
 標高500mを超えると本土の照葉樹林のように針葉樹と照葉樹が混生する森となり、いよいよ屋久杉の森が始まり、標高1,800mあたりまで自生しています。本土の杉の樹齢は約500年、ところが屋久杉は樹齢2,000年を超える巨木があり、長命の理由は緻密で樹脂成分が多く、腐りにくい為だと言われています。


二代大杉(白谷雲水峡) 標高730m付近

 屋久島は巨大な花崗岩が隆起し、積み重なってできた島。当然、栄養成分が豊富な土が乏しく非常に厳しい環境なのです。このため、屋久杉は岩山でゆっくりと成長するためこのような頑丈な木になったそうです。まさに修行僧のように過酷な環境に立ち向かう孤高の姿。屋久杉に比べると本土の杉は「甘やかされたおぼっちゃん」に思えてきました。

 二代大杉より先は登山道となるため、引き返すことになりました。標高1,800m以上の高地になると、風景は一変。樹木もまばらにヤクシマダケ草原帯が広がります。ここは本格登山の方におまかせするとして、麓に下りるとすっかり雨も上がり、熱い日差しが照り付けます。宮之浦港から西に位置する永田集落はハイビスカスの花が咲き、世界自然遺産指定エリアの西部林道はガジュマルの木が茂る亜熱帯の森となります。同じ島でありながら、先ほどまでの苔むす森とは全く異なる植物の生きざまには驚かされます。


南国ムード漂うガジュマルの木


 屋久島はご紹介しきれないほど魅力的な場所の宝庫で、大迫力の滝も見逃せません。南岸には千尋(せんぴろ)の滝、トローキーの滝、西岸には大川(おおこ)の滝も見所です。また、屋久杉についてもっと知りたい方は車で訪れることのできる紀元杉(推定樹齢3,000年)、ヤクスギランド屋久杉自然館もおすすめです。


 2021年は屋久島を訪れる多くのクルーズが中止となりましたが、本年は以下のクルーズが予定されています。この機会に是非、屋久島の自然に触れて癒されてみませんか?

<にっぽん丸>
✿2022/4/10(日)▶4/15(木) 神戸発着 日南・奄美・屋久島クルーズ 5日間
 神戸~油津~奄美大島(名瀬)~屋久島~神戸

✿2022/6/20(月)▶6/25(土) 名古屋発着 屋久島・奄美大島クルーズ
 名古屋~<終日瀬戸内海>~屋久島~奄美大島(名瀬)~<終日航海>~名古屋

<ぱしふぃっく びいなす>
✿4/13(水)▶4/17(日) 亜熱帯の島 奄美大島と洋上のアルプス屋久島クルーズ 5日間
 神戸~<終日航海>~奄美大島(名瀬)~屋久島~神戸

✿4/29(金・祝)▶5/4(水・祝) GW世界遺産二島めぐり 奄美大島・屋久島クルーズ 6日間
 横浜~<終日航海>~屋久島~奄美大島(名瀬)~<終日航海>~横浜

✿5/20(金)▶5/24(火) 碧の絶景 屋久島・宿毛クルーズ 5日間
 名古屋~屋久島~宿毛~名古屋

✿6/26(日)▶7/3(日) 南西諸島 島めぐりクルーズ ~宮古島・沖縄・奄美・屋久島~ 8日間
 神戸~<2日間終日航海>~宮古島~沖縄本島(本部)~奄美大島(名瀬)~屋久島~神戸

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■東 京☎ 03-5213-9987 
■神 戸☎ 078-251-6218 
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投稿者名 emix-remix 投稿日時 2021年12月06日 | Permalink