Vol.2メコン川をさかのぼり、アンコールワットを目指す優雅な旅。カンボジア編
ベトナムのミトーから出港したリバー船はメコン川を遡り、日本出発から数えて5日目にカンボジアの首都、プノンペンに入ります。15世紀前半、衰退したアンコール王都を放棄して、この地に遷都されたのがプノンペンの始まりと言われています。19世紀当時、カンボジアを保護領としていたフランスにより街は整備され「東洋のパリ」とまで呼ばれるようになりました。まずは一人乗りシクロ(輪タク)で街の散策に出かけましょう。
当初木造であった王宮は20世紀初頭、フランス人建築家によって再建されました。カンボジアはタイやラオスと同様に上座仏教の国なのですが、至るところにクメール(ヒンズー教)の影響が見られ、後に訪れるアンコール・ワットのナーガ(ヤマタノオロチのような蛇)やシンハ(獅子)の聖霊獣のモチーフが見られます。隣には5329枚もの銀のタイルを敷き詰めたシルバー・パゴダが隣接し、25カラットを含む2086個のダイヤがちりばめられた黄金の宝冠仏や小さなエメラルドの仏などの宝物が鎮座しています。
王宮の北側に位置する国立博物館はカンボジア全土から集められた文化財がおさめられ、特にアンコール遺跡群の優れた彫像が鑑賞できるので、アンコール・ワットに訪れる前に是非予習しておきたい場所です。中庭中央に座るジャヤヴァルマン七世像、通称ライ王像は、アンコール遺跡群のバイヨン遺跡から北の王宮があったとされる遺跡周辺、ライ王のテラスにある像です。ライ病にかかった王という説、ひげとキバのある閻魔大王とする説など諸説のある謎の王は、蠱惑的なほほ笑みで私達を魅了します。この他にも8本腕のヴィシュヌ神像、横たわるヴィシュヌ神像は必見。
午後からは自由行動、カンボジアは物価も安く、ショッピングも楽しめます。地元の人でもにぎわうドーム型のセントラルマーケットは海産物から日用品、土産物、宝石、美容室や占いなど、までなんでも揃う巨大モール。ただ、外国人観光客には値段をふっかけることもありやや手ごわい。おすすめはストリート240。フランス人デザイナーによる外国人向けのセンスのよい雑貨店やカフェなどが並んでいます。クメール文化に興味のある人はストリート178の通称アートショップ通りに訪れてみていはいかがでしょう。アンコール遺跡をモチーフにした木彫りのレリーフや大理石の仏像なども販売されています。
プノンペンを過ぎると静かなトンレ川とメコン川に分かれます。ここからは、水量によって行程が変わる上流の水域です。喫水の浅いリバークルーズはどんなところに案内してくれるでしょうか?(Vol.3カンボジア編に続く)。
今回ご紹介したカンボジア側のメコン川流域は「パンダウ メコン川とたっぷり、アンコール・ワット遺跡鑑賞の旅」で訪れることができます。欧米人に絶大な人気を誇るパンダウ社の船はお伝えした通り、わずか28室の船ですので大変お部屋の確保が難しく、早期申込割引期日の7月27日(金)を過ぎますと、お部屋の確保が大変難しくなります。
成田と関空からそれぞれホーチミンへ直行便利用、クルーズ中は主要な観光がすべて含まれ、最終目的地のシェムリアップからはかの、アンコールワット遺跡鑑賞がたっぷり3日間。充実のメコン川クルーズに是非この機会に訪れてみてはいかがでしょうか?
Vol.1メコン川をさかのぼり、アンコール・ワットを目指す優雅なリバークルーズご紹介。ベトナム編
中国チベットを源流にラオス、ミャンマー、カンボジアを流れ、最後にベトナムに行きつく4,000kmにも及ぶ大河、メコン川。下流の町ミトーからコロニアルスタイルのリバー船に乗ってメコン川がもたらす肥沃なメコンデルタで古より変わらぬ人々の生活に触れる旅にご案内します。日本からはフライトでホーチミンへ。陸路で移動し、クルーズはミトー桟橋からスタートしますが、このあたりは川幅が3kmにもおよびまさに大河の名にふさわしい雄大な風景です。
3日目に訪れるカイ・ベーは手漕ぎボートでメコンデルタの風物詩、運河に毎日立つ賑やかな水上マーケットを訪れます。マーケット船は野菜や果物の取引を行う卸売船と、水上で働く人や観光客に飲料や日用品、軽食を売る小売船があります。
カイ・ベーを訪れた後、船はサディックにすすみます。ここはマルグリット・デュラスの自伝的小説「愛人(ラマン)」で大変有名になった場所。映画も撮影されたのでご覧になった方も多いのでは?富豪の中国人青年が住む邸宅、ヒュン・トウィ・リーの家は現存されていてベトナム-フランス-中国の複雑な様式を見学することができます。
また、サディックでは賑やかな市場の見学も楽しみのひとつ。色とりどりの野菜や果物、カニや魚、お米、そして生きたままの鶏などがさまざまなものが売られています。
メコンは一見、水の色から汚いと思い込んでいる人がたくさんいますが・・・それは大きな誤解です。実はとってもきれいな川なのです。 メコン川が濁っているのは底に蓄積している土や泥のせいで決して汚れているわけではありません。肥沃なメコンデルタはアジア一の穀倉地帯でもあるのですが、水産業にも力を入れ、ベトナムの高級魚ナマズを養殖し、世界130か国にも輸出しています。日本人が思い描く日本ウナギではなく、現地でバサとよばれる白身魚。その味わいはウナギに似ていて唐揚げは絶品。4日目のチャウ・ドックでナマズの養殖場を見学します。
メコン川の水量は雨季と乾季で大きく異なり、増水期には渇水期の20倍にもなります。そのため、南部ベトナムのメコンデルタに住む人々は増水期に備えて水上に住居を構えています。このあたりは橋がかけられておらず、人々の生活はすべて水上マーケットでまかなうことができます。水上住居の床下で魚を飼っている家もあるのです。チャウ・ドックは大変活気のある町で、観光客は少なく、地元の人々の普段の生活を垣間見ることができます。
チャウ・ドックより川を少し遡り、かつてチャンパ王国の末裔であり、多くはヒンドゥー教よりイスラム教徒に改宗したチャム族の村を訪れます。現在は少数民族の彼らは高床式の住居で生活し、チャム族の女性は髪をスカーフやベールで隠している人が多く、美しい織物をを作り、小物入れやぬいぐるみなどのお土産物を売っています。日本でもこの綺麗な織物を輸入してポーチなどを販売している会社もあります。ムスリムとはいえ、他のイスラム教徒とは隔絶した生活をしているので、殺伐をした雰囲気はまったくなく、穏やかに暮らす人々です。
チャム族の村を訪れた後、ベトナムを後にして、いよいよカンボジアに入ります。入国手続後、船は首都プノンペンを目指します。ポル・ポト政権時代に荒廃した「東洋のパリ」はかつての美しさと賑わいを取り戻しているのでしょうか?乞うご期待!(カンボジア編に続く)
今回ご紹介したベトナム側のメコン川流域は「パンダウ メコン川とたっぷり、アンコール・ワット遺跡鑑賞の旅」で訪れることができます。欧米人に絶大な人気を誇るパンダウ社の船はお伝えした通り、わずか28室の船ですので大変お部屋の確保が難しく、早期申込割引期日の7月27日(金)を過ぎますと、お部屋の確保が大変難しくなります。
成田と関空からそれぞれホーチミンへ直行便利用、クルーズ中は主要な観光がすべて含まれ、最終目的地のシェムリアップからはかの、アンコールワット遺跡鑑賞がたっぷり3日間。充実のメコン川クルーズに是非この機会に訪れてみてはいかがでしょうか?