平安時代の添乗員は大変だった? ~現代の熊野詣はクルーズでらくらく~

熊野古道(写真提供:公益社団法人 和歌山県観光連盟)


 「陸の孤島」という言葉があります。文字通り、陸地にありながら絶海の孤島のように容易にたどり着けない場所です。日本列島の約70%が山岳地帯と丘陵地に占められているためこのような場所が多いのですが、その一つが紀伊半島の南端、熊野です。昭和34年(1959年)に紀州本線が開通するまで「陸の孤島」と呼ばれていました。

 車も列車もない平安時代、907年の宇多法皇から1281年の亀山上皇までの374年の間におよそ100度の熊野御幸(上皇・法皇が外出すること)が行われました。その後、中世期には「蟻の熊野詣」と言われるほどブームになり、庶民にも広がったそうです。とはいえ京都から最短でも片道約200km、現在ですら、クルーズ船が寄港する新宮港までは車でも列車でも4時間もかかるにもかかわらず・・・です。


熊野那智大社 牛王神事
(写真提供:公益社団法人 和歌山県観光連盟)

 当時の熊野御幸の様子は平安時代の有名歌人藤原定家の日記「明月記(国宝)」に残っています。これによりますと、当時22歳の後鳥羽上皇の御幸に供奉(同行)した藤原定家は40歳。
 1201年10月5日に京都の城南宮を出発、16日に熊野本宮大社、18日に熊野速玉大社、19日に那智の滝に到達し、難所を越えて26日に京都に帰着する22日間のグランドツアーです。

 彼の任務は一行に先駆けて船や昼食、宿所を設営することでした。日頃はインドア派、小倉百人一首の選者になるほどの歌人は、不慣れながら上皇のために馬を馳せ、御経供養や奉幣(社寺に御経や供物の提供)に奔走します。予定していた宿舎が忌中で利用できないなどのハプニングに見舞われ、夜は上皇に請われエンターテイメントとして歌会の開催。とにかく、ボロボロになるほど大変だったと日記には記載されています。南紀の暑さで体調を崩し、後半は日記の筆がすすまなくなるほど、辛い状態になりました。
 京に戻った翌日は、早朝から旅で利用した雑物(アウトドア用品?)を洗い、先達(山岳の指導者)に返却したとも書いてあります。ご苦労さまでした。


熊野速玉大社
(写真提供:公益社団法人 和歌山県観光連盟)

 あれ、筆者は全く縁が無いと思っていた平安歌人に急に親近感がわきました。定家が行ったことは、まさにお客様のために東奔西走する旅行会社の添乗員!旅行会社の業務は手数料が収入になる営利行為ですが、こんなに大変な目に遭いながらも手配を請け負った定家の目的はなんだったのでしょうか?

 ズバリ出世です。一説によるとこの時の位は左近衛少将でしたが、中将に取り上げて欲しかったそうです。功績をあげて、課長から部長になりたい、という感じでしょうか。
 この話には残念なオチがあります。この年の12月23日徐目(任官の儀式)の日、定家には何の音沙汰もなかったとか(泣)。

  来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩(もしほ)の 身もこがれつつ
                          (藤原定家 小倉百人一首) 


熊野古道(画像提供:新宮市観光協会)

 藤原定家のように苦労しなくても、現代の熊野詣はクルーズなら、らくらくです。ちなみに、熊野御幸は天皇を引退した上皇・法皇のみで、現役の天皇は1度も行っていません。
 熊野詣は聖地を目指し、蘇りを願う信仰であり修行であったのですが、実際には遊興の意味合いも兼ねていました。時間もお金も自由に使える引退後の長旅は、いつの時代も現役では難しいようです。

 平成16年(2004年)熊野古道は「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。代表的なルートは紀伊半島の西側「紀伊路」、東側は「伊勢路です。前者がご紹介した御幸が通った道で、道筋には休憩所を兼ねた王子社がまつられていました。後者は、江戸時代に伊勢参宮を終えた旅人達が辿った道で、いわば庶民の道でした。そして中央には熊野三山を結ぶ「中辺路」が通じています。これらの熊野古道は今ではトレッキングを楽しむ方が多く、木々に囲まれた石畳を歩くと夏でも涼やかな風が吹いています。

 熊野古道は新宮市の熊野速玉大社、田辺市の熊野本宮大社、そして那智勝浦町にある熊野那智大社を詣でる道です。古代より神々の霊が隠れ籠る独自の聖域をなした場所に祀られていた熊野三山ですが、不便な場所にあるからこそ、いにしえの高貴な方々を魅了したのかもしれません。すでに訪れている方も多いかもしれませんが、34回も御幸した後白河上皇のように、蘇りを願い、何度も訪れてみてはいかがでしょうか?          


熊野本宮大社(写真提供:公益社団法人 和歌山県観光連盟)


 古代からの聖地、熊野を訪れ、いにしえの人々の足跡をたどってみてはいかがでしょうか?下記のクルーズが新宮に寄港します。

 ✿2022/1/4(火)▶1/7(金)
  初春の宝船 にっぽん丸 新宮・瀬戸内海 4日間


 ✿2022/3/16(水)▶3/19(土)
  飛鳥Ⅱ 横浜 結航路 駿河・新宮クルーズ 4日間

 
 ✿2022/3/28(月)▶4/1(金) 
  ぱしふぃっく びいなす 春爛漫 黒潮海道クルーズ ~新宮・高知・日高~ 5日間


 上記の他にも多数コースがございます。お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、または郵船トラベルのホームページをご覧ください。 お待ちしております!!
■東 京☎ 03-5213-9987 
■神 戸☎ 078-251-6218 
■福 岡☎ 092-475-0011 
無料パンフレット請求はこちらからどうぞ!!


投稿者名 emix-remix 投稿日時 2021年12月16日 | Permalink

2019にっぽん丸チャーターで島めぐり!

郵船トラベルチャータークルーズ 新緑の九州・瀬戸内 島めぐりクルーズ 屋久島・上五島・小豆島 6日間
<2019年5月12日出発>


お待たせいたしました!
明日9月14日から2019年にっぽん丸チャータークルーズを発売開始致します。

美しい自然と屋久杉が幻想的な屋久島、今年新たに世界遺産登録が決定した上五島、
そしてオリーブの島の小豆島を巡るにっぽん丸のクルーズです。
郵船トラベルのにっぽん丸チャーターでは久しぶりとなる首都圏発着(横浜発着)です!



小豆島のオリーブ公園

ばんば・ひろふみさんのショーなど豪華なゲストイベント、
さらにハウスフィットネスや盆踊り大会の船内イベントも予定しております。
郵船トラベルのチャータークルーズならではの寄港地オプショナルツアーにもぜひご参加ください(^^)

既に多くのお客様から事前受付のご連絡をいただいております。
また、早期全額支払い割引は12月28日(金)までですので、ご検討中の方はお早目に!
お問合わせお待ちしております!


パンフレット請求はこちらから↓
にっぽん丸 新緑の九州・瀬戸内 島めぐりクルーズ ~屋久島・上五島・小豆島~


お問合せ先:
■東京クルーズセンターTEL:03-5213-9987 
■横浜クルーズセンターTEL:045-640-6560
■名古屋クルーズセンターTEL:052-561-1354
■大阪クルーズセンターTEL:06-6251-5881
■神戸クルーズセンターTEL:078-251-6218
■福岡営業所TEL:092-475-0011
※営業時間:平日09:30~18:00


投稿者名 チョコ 投稿日時 2018年09月13日 | Permalink

祝・世界文化遺産登録!~天草へ行こう

ユネスコ世界遺産委員会で「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産への登録が決定しました。
クルーズの寄港地としては以前から定番の天草ですが、注目度が急上昇し、今後ますます盛り上がりを見せそうですね。

お問合せが増えておりますので、現在受付中のクルーズをご案内します。

ぱしふぃっく びいなす
長崎くんち・上五島・天草クルーズ 6日間<2018年10月5日出発>


専用マス席から豪華絢爛な祭礼の「長崎くんち」をゆったり観覧し、更に世界遺産登録の教会が点在する天草へ。
沖ノ島、浅茅湾、軍艦島の周遊もお楽しみいただける、盛り沢山な内容となっております。

旅行期間:2018年10月5日(金)~10月10日(水)
出発地/帰着地:神戸港
日数:6日間





どうぞお見逃しなく!


投稿者名 アヒル船長 投稿日時 2018年07月05日 | Permalink

ぱしふぃっくびいなす 夏のクルーズ♪

今日はぱしふぃっくびいなすの夏のクルーズ空き情報をお届けします!
(6/28の空室状況です)

一つ目のおすすめはワンナイトクルーズです!
フルコースディナーやショーを楽しみながら目的地までゆったりとした時間をお過ごしいただけます。
ドレスコードもカジュアルなのでクルーズ初心者の方も参加しやすいクルーズです♪

 ぱしふぃっくびいなす 夏の名古屋・横浜ワンナイトクルーズA 2日間 <2018年8月15日出発>
 ステートH:3室 ステートG:3室

 ぱしふぃっくびいなす 夏の横浜・名古屋ワンナイトクルーズ 2日間 <2018年8月22日出発>
 ステートH:2室 ステートG:2室 ステートF:2室 ステートE:1室 ステートD:1室

 ぱしふぃっくびいなす 夏の名古屋・横浜ワンナイトクルーズB 2日間 <2018年8月26日出発>
 ステートG:2室 ステートF:1室 ステートE:1室 ステートD:1室


二つ目はこちら!
 ぱしふぃっくびいなす 夏休み世界自然遺産 小笠原クルーズAコース 6日間 <2018年8月26日出発>
 ぱしふぃっくびいなす 夏休み世界自然遺産 小笠原クルーズBコース 5日間 <2018年8月27日出発>
 ステートH:1室 ステートG:8室 ステートF:2室 ステートE:1室

≪小笠原クルーズのおすすめポイント♪≫
ふれんどしっぷナイト開催:カジュアルな船内イベントです。バンドショーやカクテルをお楽しみいただけます。
ファミリー50:小学生以下のお子様のご旅行代金が大人代金の50%に!
キッズプログラム:船内探検やクラフトのプログラムなど。船長服を着て写真撮影もできます!

飛鳥Ⅱや、にっぽん丸でも人気のある小笠原クルーズ。
ぱしふぃっくびいなすは夏以降にも小笠原クルーズがありますが、小笠原行きのフェリーの予約も取りづらい時期ですので、マリンレジャーにベストな夏にぜひご参加ください!

今回は夏のご旅行の予定をまだ決めていないという方におすすめのクルーズをご紹介しました。
ぜひご検討ください!


投稿者名 チョコ 投稿日時 2018年06月28日 | Permalink

世界遺産登録記念クルーズ・ハイライト!

にっぽん丸 「神宿る島」沖ノ島・宗像と軍艦島、長門仙崎と天草諸島クルーズ5日間の船旅、
無事終了しました!

世界遺産登録記念クルーズとして、
初入港の長門仙崎~天草(本渡)間では軍艦島を、
天草~門司間では沖ノ島を航行しました!

今回のクルーズのハイライトをお届けします!


神戸港出港セレモニー


初日から曇りで、天気が心配だった今回のにっぽん丸チャータークルーズですが、
寄港地では何とか持ちこたえることができました...!

長門仙崎ではパワースポットへ!
123基の鳥居が奉納されている元乃隅稲荷神社です。


赤い鳥居ときれいな海...まさに絶景です!

天草に寄港する日の早朝は軍艦島を周遊しました。
皆様朝早くからデッキに集まり、熱心に解説を聞いていらっしゃいました。


朝から軍艦島で釣りをしている方々がいました!

門司港入港時は大雨...
そんな中ゆるキャラ「スナQ」がお出迎えしてくれました!


世界遺産、宗像大社も参拝しました。
宗像大社周辺は筑豊炭田で栄えた地域です。
門司港の雰囲気とは違い、自然が豊かでとても長閑な場所でした。


宗像大社などの世界遺産だけでなく、
寄港地でのツアーや船内イベントなど盛りだくさんのクルーズで、
添乗員として乗船した私も楽しませていただきました!


郵船トラベルの今年度のにっぽん丸チャーターは終わってしまいましたが、
にっぽん丸2018年下期クルーズ、まだまだ予約受付中です!
ぜひ、ご検討ください!
https://www.ytk.jp/cruise/tours/by_pamphlet/1203069_1760.html