瀬戸内海を漂うように過ごす、人生最高の旅を「ガンツウ」で。


切妻屋根が美しいラウンジ <画像提供:株式会社せとうちクルーズ>


 幼きころ、夏になると母の実家のある香川県丸亀市を訪れていました。まだ、本州四国連絡橋はひとつも架けられておらず、山陽新幹線も開通前。神戸から特急「うずしお」に乗り、宇野まで2時間以上の列車旅。そして宇高連絡船に乗り換えて瀬戸内海を渡ること約1時間。高松に着くと座席の奪い合いでスタートダッシュをかける乗客がいるほど激しく混雑している予讃線のローカル列車で30分、祖父母の待つ城下町、丸亀へやっとたどり着いたのでした。
 現代のクルーズの旅とは比べるまでもなく、優雅とは言えない帰省でしたが、連絡船から眺める移り行く島々は筆者にとっての船旅の原風景でもありました。


<画像提供:株式会社せとうちクルーズ>

 瀬戸内海には周囲100m以上の島が727あり、広島県が最も多く142を数えます。内海多島海という庭園のように穏やかな自然と、漁業や海運業に従事する多くの人々に培われた歴史、文化が織りなす海のタペストリー。温和な気候、明るい住民、豊かな海の幸・・・初めて訪れる人にもふるさとを思わせる親しみを感じて頂けるのではないでしょうか。

 すでに明治時代に西洋からも「世界第一ノ景」と評されてきた瀬戸内海の島々、2010年に開催された瀬戸内国際芸術祭で日本のみならず、海外からも注目されるのですが、大きなクルーズ船の寄港地とはなり得ませんでした。

 小さな島はクルーズ船規模の乗客を一度に受け入れられない環境、大型バスはなくタクシーも島で1台、大きな桟橋はひとつもありません。牡蠣や鯛などを養殖する筏や漁網がひしめき、商業船やフェリーがひっきりなしに行き交い、大型船で島に近づくのは容易ではありません。

 そんな中、広島県福山市に拠点を置く常石造船はせとうちの海に最もふさわしい宿泊可能な小型クルーズ船を建造。日本初の瀬戸内海専用の「ガンツウ」は起工より約1年後の2017年10月17日、満を持して就航しました。


スパで極上ののリラックスタイムを <画像提供:株式会社せとうちクルーズ>


 船のデザインを手掛けたのは建築家 堀部安嗣氏。コンセプトは「せとうち、漂泊」。キーワードは「ちょうど良い加減の、おもてなし」。堀部氏によると、瀬戸内海は海面がシルバーに輝くような色合いになることがよくあり、景色に溶けるようにシルバーの外装を選択したそうです。また、瀬戸内海の町の風景にも合うように、日本的な切妻屋根。内装には防火処理したアルダーという木材をふんだんに使い、場所によっては壁に漆喰も塗られています。


 船内のすべての場所が「居心地」を最優先に考えられて設えられていて、なによりも船の中に縁側があるなんて、想像もしたことがありません。ここに座って、木のぬくもりにくるまれ、島影が過ぎていく風景を楽しむ・・・まさに大人の時間。眩しい朝日からシャンパンカラーに染まる夕景まで、だれにも邪魔されず、潮風を感じながらただ座っているだけでいい、そんな場所がある船が他にあるのでしょうか。


縁側より海を臨む
<画像提供:株式会社せとうちクルーズ>

 唯一無二のガンツウは客室わずか19部屋。最少のお部屋でも50㎡で海を眺めることができるお部屋とお風呂が設えられています。さらには乗船条件は15歳以上、2名1室または1名1室のみのご利用となります。なぜなら、大人の旅は自分の時間を過ごす旅、ご自身のペースで癒しの時間をお過ごしいただきたいからなのです。


 ガンツウはどこにも寄港しません。3日間、漂う船にいるのも良いですし、洗練された堀部安嗣氏デザインのテンダーボートに乗って喧騒とはかけ離れた、まだ誰もいない早朝の安芸の宮島に上陸して厳島神社を参拝するも良し、夜は光輝く水島コンビナートの夜景を眺めながら冷えたシャブリを傾けるひとときを楽しむ・・・そんな時間を過ごすことができます。


おしゃれなテンダーボートでいざ上陸! <画像提供:株式会社せとうちクルーズ>


 ガンツウは3,013トン、最大乗客数の38名で割ると一人当たりのスペースレイシオは約80トン。これは世界最高峰の客船と言われるオイローパ2と肩を並べます。乗組員は乗客数を超える46名。海洋を航行するクルーズ業界でもこの二つのラグジュアリーな条件をクリアする船はほぼありません。とはいえ「ちょうどいい加減の、おもてなし」が貫かれ、乗客があくまでの自由に、思うままを過ごせるよう、上質で、細部まで行き届きながらも、そっとしたサービスなのです。 

 お客様の期待は当然、船内でのお食事、特に瀬戸内海の海の幸にも目が向きます。素晴らしい瀬戸内海の食材の数々は次回のブログで詳しくご紹介するとして今回は「人生最高の旅」の片りんにふれて頂きました。それでは最後にガンツウが生まれるに至る常石造船の客船guntûメイキングムービー「Behind The Scenes : guntû」をご覧ください。 



クリックするとパンフが開きます。

 郵船トラベルでは2021年12月に初の試みとなるガンツウのチャータークルーズを実施し、好評の内に終了しました。2022年は個人で乗船できるガンツウのコースを多数設定いたしましたので、お客様のご都合とお好みでお選びいただくことができます。

 全航路、広島県尾道市にあるベラビスタマリーナの出港・帰港となります。JR福山駅または広島空港までの往復送迎サービスは、乗下船日当日に限り、事前予約制にてご利用いただけます(追加代金なし)。また、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道での前泊、後泊の手配も承ります。


 詳しくはこちらをご覧ください。船旅にご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、または郵船トラベルのホームページをご覧ください。 お待ちしております!!
■東 京☎ 03-5213-9987 
■神 戸☎ 078-251-6218 
■福 岡☎ 092-475-0011 
無料パンフレット請求はこちらからどうぞ!!


投稿者名 emix-remix 投稿日時 2021年12月27日 | Permalink