小笠原クルーズは船上からの眺めにもご注目!東京都区部から1,200km離れた海上に浮かぶ「硫黄島」。さて、なんの形に見えますか?
J’ai montré mon chef d’oeuvre aux grandes personnes et je leur ai demandé si mon dessin leur faisait peur.(そこでぼくは、ぼくの傑作を大人に見せて、この絵を見て怖いと思うか尋ねた)。
Elles m’ont répondu: “Pourquoi un chapeau ferait-il peur?”(大人たちは答えた。「なんで帽子を見て怖いと思うんだい?」)。
え?いきなりフランス語?って小笠原クルーズと何が関係あるの?いえいえ、なにも関係ありません。この絵には見覚えありますよね。そうです、サン=テグジュペリ(Saint-Exupéry)の童話「星の王子さま(Le Petit Prince)」の第一章に登場する象を丸呑みしたヘビ(Boa)の挿絵です。
硫黄島(いおうとう)についてブログを書いてほしいと言われ、筆者は少し戸惑いました。第二次世界大戦末期の昭和20年(1945)、硫黄島の戦いで日米併せて約5万人が戦死・戦傷した激戦地であることが頭をよぎったからです。
戦後すでに77年もの時が流れ、かつての激戦地へクルーズする平和な日々を過ごすことができるようになりました。観光情報としてご紹介することが不謹慎なことかとも思ったのですが、そうではなく、母国を守ろうと戦い、犠牲となった兵士を「忘れない」ことが英霊を慰めることになるのだと、思いなおしました。
そこで、硫黄島の画像を探していますと、ふと「星の王子さま」の挿絵が思い浮かんだのです。そう、海上から見るとまるで象を飲み込んだヘビのよう!上空から見ても平べったいツチノコ?に見えてしまいます。
サン=テグジュペリはフランス軍のパイロットでしたが、太平洋は横断していません。上空からもし硫黄島を見たらどう思ったのでしょうね。
硫黄島は東京都区部、グアム島、南鳥島、沖縄本島からそれぞれ1,200kmから1,300kmほど離れた日本の排他的経済水域(EEZ)南端部に位置し、東京都であり小笠原諸島に属しています。父島からは南南東に約275km離れ、1年に1度程度小笠原からの観察クルーズ(上陸はしません)が実施されることがあるのですが、通常民間人は訪れることはできません。
【排他的経済水域(EEZ)とは】
領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く。)並びにその海底及びその下です。
なお、排他的経済水域においては、沿岸国に以下の権利、管轄権等が認められています。
1.天然資源の探査、開発、保存及び管理等のための主権的権利
2.人工島、施設及び構築物の設置及び利用に関する管轄権
3.海洋の科学的調査に関する管轄権
4.海洋環境の保護及び保全に関する管轄権
(参考資料:海上保安庁 海洋情報部ホームページ)。
現在、硫黄島には海上自衛隊と航空自衛隊の基地が置かれていて民間人は居住していないのですが、戦前は島民が居住していたこともあり、硫黄採掘やサトウキビの栽培などを行っていたそうです。とはいえここは活火山の島、地熱が高く、島のいたるところに噴気口があり、島の名の由来となった硫黄の臭いが立ち込めているそう。
海底からの比高は推定2,000m以上、海上からは標高170mの「摺鉢山(別名パイプ山)」が最高峰。これが象を飲み込んだヘビならぬ、伏せたすり鉢に見えるようです。また、白煙が昇る姿はパイプにも見えたかもしれません。
かつて1度も大陸と地続きになったことのない小笠原諸島、独自の進化を遂げた固有種の宝庫で冬から春にかけてはザトウクジラが子育ての場所に選び訪れます。とても魅力的な場所なのですが、唯一の難点は本州から遠いことと空港がないこと。定期船でも東京から24時間かかります。
それもあって、クルーズの目的地には最適、今回ご紹介した硫黄島まで南下する航路を行うクルーズは少ないのですが、小笠原までには途中、海上に忽然と現れる孤高の姿が印象的な「孀婦岩(そうふがん)」やかつては有人離島で羽毛の採取が行われていた「伊豆の鳥島」付近を航行します。
これらはすべて東京から南硫黄島まで連なる急峻な火山列島の先端部、ヘビが飲み込んでいたのは象ならぬ、巨大なエネルギーを秘めた2,000m級の火山だったのです。サン=テグジュペリが「星の王子さま」の中でキツネに語らせる名言がぴったりかもしれません。
On ne voit bien qu’avec le cœur. L’essentiel est invisible pour les yeux.(大切なことは目にはみえない。心でしかよく見えない)。
今はとても穏やかに見える島々には、かつて多くの犠牲者をともなう火山噴火や戦禍の歴史をはらんでいます。現在の平和を享受しながらも、それらの歴史にも目を向けてクルーズを楽しんでいただければ幸いです。
東京都島嶼部についてはこちらのブログもご覧ください。
♥クルーズでしか訪れることができない秘島の魅力、ドラマティックな東京都島嶼部をEEZ南端の南硫黄島まで、小笠原クルーズで探訪してみませんか
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♥ボニンブルーに染まる小笠原諸島で亜熱帯の固有種に出会い、マリンリゾートをエンジョイしませんか!
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いかがでしたでしょうか。小笠原へのクルーズは夏も人気なのですが、ザトウクジラが訪れ、ホエールウォッチングに最適な春もおすすめです。ぱしふぃっく びいなすがクルーズ事業を廃止するため、2023年の春はにっぽん丸だけが小笠原を訪れます。以下のクルーズが実施されますので訪れてみてはいかがでしょうか。
<にっぽん丸>
2023年2月9日(木)▶2月14日(火) 東京発着
●小笠原と硫黄島周遊クルーズ 6日間
●【東京都民クルーズ】小笠原と硫黄島周遊クルーズ 6日間
東京~(航海日)~父島(通船)~(硫黄島周遊)~(航海日)~東京
☆小笠原(父島)よりさらに約275km南下し、硫黄島までクルーズを楽しみます。
■東京都民クルーズはスーペリアツイン10室に限り10%引きで提供します。応募資格は東京都在住または在勤の方に限ります。
2023年3月11日(土)▶3月16日(木) 茨城県大洗発着
●春の小笠原クルーズ 6日間
大洗~(航海日)~父島(通船/停泊)~(航海日)~大洗
■無料シャトルバス(事前予約制):水戸市内(水戸京成パーキング・水戸駅南口)⇔大洗港
■有料送迎車プラン(タクシー・バス利用):首都圏、群馬県、栃木県、茨城県、福島県の各主要駅から大洗港への送迎も承ります。片道5,000円、往復10,000円(いずれもお1人様あたり)。詳細はお問合せください。
■大洗港駐車場無料留置プラン:大洗港では旅行期間中、無料駐車場をご用意いたします。
2023年3月17日(金)▶3月21日(火・祝) 東京発着
●春の小笠原クルーズ 5日間
東京~(航海日)~父島(通船)~(航海日)~東京
☆週末と春分の日の飛び石連休を利用して、現役の方やお子様でも参加しやすい日程です。
船旅にご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、または郵船トラベルのホームページをご覧ください。 お待ちしております!!
■東 京☎ 03-5213-9987
■神 戸☎ 078-251-6218
■福 岡☎ 092-475-0011
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