日本郵船のドライカレー

欧州航路で運航されていた「三島丸」 「郵船式ドライカレー」は船上で日本人コックが考案されたと伝えられています。(資料提供:日本郵船歴史博物館)

欧州航路で運航されていた「三島丸」 「郵船式ドライカレー」は船上で日本人コックが考案されたと伝えられています。(資料提供:日本郵船歴史博物館)

郵船トラベルクルーズセンター横浜のある日本郵船歴史博物館周辺を歩くとカレー専門店やインド料理店などカレーが食べられるお店が実に多いことに気がつきます。喫茶店でもカレーライスをお店の看板メニューにしていたりします。何故このように「カレー」を提供しているお店が多いのでしょうか?どうやらこれは、関内界隈が港町であることに起因しているようです。


絵柄も美しい「三島丸」のディナーメニュー(資料提供:日本郵船歴史博物館)

絵柄も美しい「三島丸」のディナーメニュー(資料提供:日本郵船歴史博物館)

毎日大海原を行く船では船員が曜日の感覚を忘れないように毎週金曜日に船の食事としてカレーライスを提供していたことは良く知られていますが、横浜港大桟橋周辺でも船の食事として定着したカレーを食べさせるお店が次第に増えていったと考えられます。まさに船の歴史とともに発展してきた街だからかも知れません。


「三島丸」のディナーメニューの拡大写真 一番下の行に「Dried Curries」という英文が読み取れます。(資料提供:日本郵船歴史博物館)

「三島丸」のディナーメニューの拡大写真 一番下の行に「Dried Curries」という英文が読み取れます。(資料提供:日本郵船歴史博物館)

日本郵船でも戦前より欧州航路の客船にて「ドライカレー」として提供されてきたようですが、「郵船式」と呼ばれるこのドライカレーのルーツを辿ると明治44年にまでさかのぼります。当時の欧州航路の日本人コックが考案したと語り継がれていますが、チャーハンのようにカレー粉をご飯に混ぜていためたものとは異なり、ひき肉や野菜のみじん切りをカレー粉とともに煮詰めたものをご飯にかけて食べるものでオリジナリティ溢れる人気メニューであったようです。(続く)
参考文献:「日本郵船 航跡 ドライカレーと福神漬け」より


投稿者名 影の横浜情報屋 投稿日時 2013年10月07日 | Permalink