トヨタ自動車博物館

6月9日、日本一周クルーズ中の「にっぽん丸」は最後の寄港地、名古屋に停泊中。
アヒル船長はオプショナルツアー「日本で唯一の『磁気浮上式鉄道(リニモ)』体験乗車と懐かしの乗り物探訪」に同行です。前回のブログでは「JRリニア・鉄道館」をレポートさせていただきましたが、鉄道の次は自動車です。
ここは愛知県、自動車というといえば何と言ってもトヨタ。
オプショナルツアーの次の訪問先は「トヨタ博物館」です。

トヨタ博物館は、平成元年にトヨタ自動車創立50周年を記念して建てられ、平成11年には、新館もオープン。本館、新館あわせて 19,250平方メートルという広大な施設に160台もの車が展示されています。
その展示内容はトヨタ車だけに限らず、ガソリン自動車誕生からの100年の歴史を、実車や、古いものはレプリカで展示しています。
本館1階は、シンボルゾーンやショップ、2階は自動車の黎明期から日本車の誕生まで、3階には日本車が展示され、自動車関係の書籍が1万冊以上。


展示されている自動車に目を向けると、これはベンツの「パテント モトール ヴァーゲン」のレプリカ。
1886年のガソリン自動車第一号と言われているそうです。馬車に代わるものとして考案、最初は三輪車だったのですね。
なんとエンジンは「水冷式」! 時速15キロメートルだそうです。  



次はイギリスの「ランチェスター、1904年製です。 独創的な水冷、水平対向エンジンだけでなく着座時の目の高さ、サスペンション、全自動給油装置など、独自の設計により、視認性、安全性、乗り心地などを追及したそうです。

館内では「ガソリン自動車誕生からの歴史」ガイドツアーもあり、きっちりと教育されたと思われるコンパニオンの女性が説明してくれます。コンパニオンの数も多く、少人数のグループでも対応してくれました。

スタッフ同士で、新人のスタッフを教育されている様子も見られました。
建物や設備だけでなく、人も教育して伝えていく、この辺にトヨタ自動車のパワーを感じます。

さて、鉄道、自動車と陸上の乗り物の世界を楽しんだ後は、船に戻って最後の夜を満喫しましょうか。


投稿者名 アヒル船長 投稿日時 2016年08月03日 | Permalink

名古屋 JRリニア・鉄道館

にっぽん丸は6月9日の朝、日本一周クルーズ最後の寄港地、名古屋に到着しました。
5月31日に名古屋から乗船されたお客様はこの日で下船となりますが、神戸・博多乗船組のお客様は夕方6時の出港までゆっくり名古屋観光です。


今回のクルーズで初めての小雨の中、アヒル船長はオプショナルツアーのひとつ、「日本で唯一の『磁気浮上式鉄道(リニモ)』体験乗車と懐かしの乗り物探訪」に同行させていただきました。JR東海のリニア・鉄道館を訪ねるツアーです。乗り物好きにはたまりませんね!


ところで「リニア」と言うので、JR東海のリニアモーターカーだけが展示されているのかと勝手に思っていたアヒル船長でしたが、このリニア・鉄道館、外から見ると、なんだか大きな建物です。
それもそのはず、中に入ってみると、リニア鉄道の技術解説の展示や車両のモックアップはもちろんのこと、なんと本物のJRの鉄道車両が39両、そして歴代の在来線、新幹線の実物車両が、広々とした展示場にゆったりと鎮座していました。


SL時代のC62機関車や、新幹線300X、超伝導リニア試験車両。いずれもその時代の世界最高速度を記録した車両です。人々の夢を乗せ、新しい時代を切り開き…いつの時代も変わらない挑戦の記録が本物だけが持つ存在感とともに迫ってきます。

実際に見て、触って、乗ってみることができる車両も展示されており、新幹線や在来線の運転シュミレーターや、在来線の車掌体験もできます。
ただし、こちらは有料で抽選となっており、夏休みとなった今では、館内はきっと目を輝かせた子供達で一杯でしょう。

オプショナルツアーはまだまだ続きます。


投稿者名 アヒル船長 投稿日時 2016年07月30日 | Permalink

本州北のはての下北ワイン

にっぽん丸の日本一周クルーズ、この日6月6日は大湊に寄港中です。

鉄道でいうと大湊は本州北の終着駅。
この先は線路がなく、あの有名な恐山のある荒涼とした土地をイメージしますが、意外なことに、ここにブドウ畑とワイナリーがありました。下北のワインです。


冬は雪にとざされ、初夏でも「やませ」が吹くと一気に気温が下がってしまうこの地域ですが、陸奥湾の水深が浅いため、太陽熱で暖められた海水の影響で気温が保たれ、周辺でのブドウ栽培が可能となっているのだそうです。
除草剤を一切使用せず、減農薬(青森県認定)でワイン造りに取り組んで、ワイン作りを成功させ見事賞まで取ったワイナリーです。


さて、お味見です。
遅い春と短い夏のおよそ100日で育った、ビノ・ノワール品種の赤ワイン。
涼しい気候を好み、早熟であるピノ・ノワールは温暖な気候で栽培するとかえって成熟しすぎ香りが飛んでしまうので、下北での栽培には向いているようです。
ただし、大変デリケートな品種なので栽培も難しいそうです。
ライヒェンシュタイナー品種を使用している白ワインは、少し甘口でデザートを頂いているようなワインでした。

今回、オプショナルツアーで訪れたお客様も、ワイナリーで試飲し、その美味しさ知ると皆さん購入されていました。


投稿者名 アヒル船長 投稿日時 2016年07月19日 | Permalink

佐渡金山で金の延べ棒つかみ取り!?

6月5日、にっぽん丸は佐渡島に停泊中。寄港地観光で佐渡金山に来ています。

歴史では佐渡は流刑地。大河ドラマや時代劇で「佐渡送り」とは、重罪人が罪の償いとして金山の労働力として酷使され一生を終えることとして描かれます。(ドラマなどではかなり脚色も入り実際とは違う部分もあるようですが。)

そんなドラマチックな要素に満ちた佐渡金山とはどんなところだったのかというと…

佐渡金山では1601年に金脈が発見され、江戸幕府の所領となって以来、幕府の財源を支えるだけでなく、世界にも知られるようになるほど大量の金と銀が産出されました。江戸から平成まで388年間に産出した金は78トン、銀2,330トンにのぼり、まさに日本最大の金銀山でした。

坑道は東西3,000メートル、南北600メートル、深さ800メートルに渡って、まるでアリの巣のように拡がります。その総延長は何と約400キロメートルに及び、佐渡~東京間の距離と同じだそうです。


当時の史跡として公開されている、道遊坑、宗太夫坑の中へ。
採掘当時を再現した人形などが展示してあり、当時の様子を知ることができます。

鉱山では通常、坑道を掘り進むと湧水が出ます。この水を運び出す役割を担っていたのが「水替人足(みずかえにんそく)」と呼ばれる人々ですが、真っ暗な中で海底よりも深い地底に延びた坑道に噴出する湧水を運び出す労働が如何に過酷だったかが伺えます。
水替人足は過酷な仕事ゆえに賃金も良かったようですが、あまりの重労働に次第になり手が少なくなり、やがて罪人が働き手として送り込まれるようになったのだそうです。このように水替人足として送り込まれることを「島送り(佐渡送り)」と言い、昨日のブログで書いたような知識人に対する流罪である「島流し」とは区別されるそうです。


女性の手では持ち上がりもしませんでした

坑道を出た後の金山資料館では、金採掘の流れや町並みなどを再現しています。
ここで面白いものを発見しました。その名も「金塊チャレンジ」。アクリルの箱に入った金塊を小さな穴から取り出すのですが、羊羹ほどのサイズでも重さ12.5キロもある金塊は、男性でも片手で半分持ち上げるのも大変です。そして首尾よく持ち上げることができても簡単には取り出せません。金塊を上から握るように持つと穴に手が引っかかってしまうのです。
では、どうするか? 指先に金塊を乗せるしかありません。
見事金塊を取り出すことが出来ると金塊をお持ち帰り出来る! 
そんなはずがなくちゃんとガードマンが見張っています。成功すると記念品がもらえるそうです。

金のアヒルですか、銀のアヒルですか…?


投稿者名 アヒル船長 投稿日時 2016年07月16日 | Permalink

日本文化のるつぼ、佐渡

にっぽん丸の日本一周クルーズ、6月5日は佐渡島に寄港しています。
朝7時半に入港、出港は14時半なので、半日の停泊です。
佐渡といえば思い浮かぶのが、金山、トキ、たらい舟などですね。

ヒカリモノ好きのアヒル船長、今回は世界遺産登録を目指す佐渡金山について調べてみました。


佐渡の金山は1601年から平成元年まで400年もの間に亘って開発されました。
金の採掘と製錬には高度な技術が必要であっため、日本各地から山師、金穿り、大工、測量技術者、商人、漁業者など多くの専門の技術者が佐渡に集結したそうです。
また、江戸幕府の直轄領として管理するために赴任した役人によって、江戸の武家文化が持ち込まれました。
一方、法華経の開祖日蓮上人をはじめ、流罪によって佐渡へ送られた知識人もいました。室町時代に能楽を大成させた「世阿弥」も足利義教により佐渡に流され、その結果、佐渡で能楽が広がりました。現在でも日本中の能舞台の3分の1にあたる30以上の能舞台があり、佐渡では能楽が身近な存在だそうです。
ちなみに伝統芸能として有名な「佐渡おけさ」も、元は九州のハイヤ節という酒盛り唄だったのだとか。
このように、歴史的に日本中の様々な伝統文化が集まったことから、佐渡は日本の縮図とも言われます。日本文化のるつぼと言ったところでしょうか。

今回の寄港中、佐渡観光協会の方が、にっぽん丸に乗船して佐渡観光案内の説明と、お祝いの席で謡われる「高砂」の披露をしてくださいました。こんなふうに船内で寄港地の伝統に触れることができるのはクルーズならではの趣向です。


投稿者名 アヒル船長 投稿日時 2016年07月15日 | Permalink