ボニンブルーに染まる小笠原諸島で亜熱帯の固有種に出会い、マリンリゾートをエンジョイしませんか!
小笠原諸島は16世紀の大航海時代、スペイン船を始めとし、オランダ船、イギリス船、ロシア船も存在を知っていたようですが、日本では領地拡大を目論み、南海探検に船出した信濃出身の武士「小笠原貞頼」が文禄2年(1593)に父島、母島、兄島の3島を発見したとされ、彼の氏姓にちなみ18世紀に小笠原島(諸島)と名付けられました。
小笠原諸島は貞頼が発見した当時から無人島でした。文政13年(1830)、交易の需要を当て込んで入植したのは日本人ではなく、約25人の欧州人、米国人、ハワイの先住民など。無人島だった時代に欧米人などが「無人(ぶにん)」を「ボニン」と発音したことから小笠原の英語で「ボニン」と呼ぶようになったそうです。「ボニンブルー」は現在使われている言葉で小笠原の濃く深い青い海の色のことなのです。そして、小笠原諸島は明治6年(1876)、正式に日本の領有となりました。
東京から約1,000kmも離れた小笠原諸島は一度も陸地続きになったことのない南海の孤島。そのため、ここに棲む生き物は独自の進化を遂げた固有種・希少種が多く、特異な島嶼生体系は「進化の実験場」とも呼ばれ、平成23年(2011)には世界自然遺産に登録されました。
また、冬から春にかけてははザトウクジラが子育てする場所に選び、夏にはアオウミガメが産卵に上陸する自然豊かな楽園です。それでは小笠原諸島に訪れてみたい方のために、今回は海洋での楽しみ方を紹介します。
<アクセス>東京の竹芝桟橋から小笠原海運㈱が運航する「おがさわら丸」を利用します。現在、6日または7日に1便の定期運航で午前11時に出航し、24時間後の同時刻に父島に到着します。東京発着で最短で6日間の旅行となります。航空機の定期運航はないため、船旅が唯一の方法なのです。
もう一つの方法は我らがクルーズ船の利用、こちらは特定日のみの設定となります。ぱしふぃっく びいなすがクルーズ事業を終了するため2023年の春先はにっぽん丸のクルーズのみとなります。
<ホエールウォッチング>小笠原を訪れる人にとって目的のひとつは巨大なザトウクジラのダイナミックなジャンプとブロー(潮吹き)ではないでしょうか。ザトウクジラは冬場に遥か北の海から小笠原を訪れ、恋愛、結婚、出産、子育てを行うのですが、2月~4月上旬までの間に観察できることが多く、この期間を過ぎると北の海へ帰ってしまいます。小笠原周辺海域に1年中生息しているマッコウクジラは、海況が安定する5月~10月に観察することができます。
<ドルフィンスイム・ウォッチング>小笠原でよく観察できるのがハシナガイルカとミナミハンドウイルカ。1年中生息し、海況の安定する5月~10月がベストシーズン。ハシナガイルカは人馴れしにくいため、水族館では見かけない種ですがボートの舳先が作る船首波に乗って遊ぶこともあり、ボート上から楽しめることがあります。
ドルフィンスイムができるのはミナミハンドウイルカ。体長は3m弱、好奇心旺盛で気が向くと一緒に泳いでくれます。ドルフィンスイムは自然に生息するイルカとの出会いですので、遊んでもらえるかはイルカのご機嫌次第です。
<アオウミガメ観察>小笠原は日本最大のアオウミガメ繁殖地!甲羅の長さは90cmほど、ウミガメの中では最大種で存在感があります。5月下旬~8月が産卵期、7月~9月中旬がかわいらしい子ガメが孵化するシーズンです。産卵期は島のあちこちの砂浜に上陸し大きな穴をヒレで掘り、ピンポン玉ほどの卵を100個くらい生みます。穴に砂をかけて戻し、夜明けの海に戻っていきます。産卵は4~5回も繰り返されるそうです。そして45日~75日後、待望の赤ちゃんカメが生まれ、一斉に海へ戻るのです。
タイミングが良ければ自然の産卵や孵化を観察できますが、小笠原海洋センターではウミガメを保護し、飼育しているので餌やりや甲羅磨き体験などでウミガメと直接触れ合うことができます。
ところで、小笠原ではウミガメを食べる文化があるのはご存じでしょうか。もちろん、捕獲数は年間135頭と制限があるのですが、まさにここでしか食べられないご当地グルメです。お刺身や寿司ネタ、煮つけでいただくそうで、味は淡泊、臭みもなく、刺身の食感は馬刺しに近いそうです。ご興味があればお試しください。
小笠原では、ウミガメの食文化を守りつつ、保全活動にも力を入れています。利用しながらも、ウミガメが増えている世界でも珍しい島として、海外の研究者からも注目を浴びています。
小笠原のアオウミガメについてはこちらのブログもご覧ください。
小笠原からの嬉しい便り ~奇跡の遭遇!アオウミガメ2000キロの旅~
<シーカヤック>海に入るのはちょっと苦手、でも自分でなにかをやってみたい方におすすめなのがシーカヤック。未体験だと難しいように思いますが、実はとても簡単。特に歩くのが苦手な人にもおすすめなのです。シーカヤックは海況が穏やかな5月~10月ごろが最適。初心者にはガイドが優しくレクチャーします。シーカヤックでしか訪れることのできないビーチへの上陸やシュノーケリングもできるツアーがあります。小笠原の透明度の高い海で遊ぶ魚や色とりどりの珊瑚を観察しながら楽しくマリンリゾートを満喫できます。
それでは、最後に小笠原村観光局提供のPR動画をご覧ください。
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■東 京☎ 03-5213-9987
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特典期日が迫っています!2023年のゴールデンウィークはクイーン・エリザベスでの日本発着クルーズでお過ごしになりませんか。海側バルコニーのお部屋を追加で確保しました。
年末が近づきますと新年を迎える準備やご旅行の計画に多忙な日々をお過ごしの方も多いと推察いたします。2023年のゴールデンウィークのお過ごし方についてはまだ早いとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、欧米では10日間程度のクルーズでも2年前からスケジュールが発表され、予約も開始されます。
クイーン・エリザベスは2023年、2024年と季節のよい春から初夏にかけてゴールデンウィークをはさみ、日本発着のクルーズを実施します。コロナ禍のため、日本寄港が延期になりましたので、特に2023年は数年越しに乗船を心待ちにされていた方から多数の予約を承っており、すでにほぼ完売している航路やお部屋タイプが発生しています。
そんな中、郵船トラベルでは2023年の【Q316】ゴールデンウィーク新緑の九州と韓国9日間の海側バルコニーのお部屋を追加仕入れいたしました。ぜひこの機会にゴールデンウィークの過ごし方のひとつとしてご検討されてはいかがでしょうか。それでは、スケジュールや現時点でお取りできる可能性のあるお部屋をご案内いたします。
【Q316】2023年4月28日(金)▶5月6日(土) 横浜発着
ゴールデンウィーク新深緑の九州と韓国 9日間
寄港地 入港 出港
1 4月28日(金) 横浜 午後乗船 22:00
2 4月29日(土) クルージング
3 4月30日(日) 鹿児島 08:00 18:00
4 5月1日(月) クルージング
5 5月2日(火) 釜山(韓国) 07:00 18:00
6 5月3日(水) 福岡 07:30 22:00
7 5月4日(木) 長崎 08:00 17:00
8 5月5日(金) クルージング
9 5月6日(土) 横浜 午前下船
横浜港は午後の集合となります。19:00までにチェックインをお済ませください。①夜景に見送られて出航、今日から始まる極上の休日に思いを馳せます。2日目は終日クルージングですのでまずはクイーン・エリザベスの施設をくまなく探訪、お気に入りの場所を見つけてください。夜はガラ・イブニングが予定されているのでドレスアップを楽しみましょう。
初めての寄港地、鹿児島では②桜島の雄姿を眺めつつ市内一番の繁華街「天文館」へ。かき氷に練乳とフルーツがトッピングされた大人気スイーツ「しろくま」を味わうのもいいですね。次に韓国へ、釜山ではカラフルな「甘川洞文化村」散策や海沿いの③「海東龍宮寺」を訪れるのもおすすめ。博多港からは世界最大級の釈迦涅槃像のある④「南蔵院」を訪れたり、夜は22:00出航なので屋台を楽しむこともできます。そして最後の寄港地、長崎では足を延ばして世界文化遺産に登録された⑤「軍艦島」を訪れてみてはいかがでしょうか。5社がクルーズを行っています。
名残惜しい気持ちで横浜に戻る日がきました。荷物を作る前に、ロイヤル・アーケードでのお買い物もお忘れなく。
クイーン・エリザベスではオプショナルツアー(別料金)の他、各寄港地では主要駅など便利な中心地へのシャトルバスも運行する予定なので自由行動もお楽しみいただけます。
<2023年【Q316】ゴールデンウィーク新緑の九州と韓国 クルーズ代金について>
以下のクルーズ代金は12月1日時点で、お取りできる可能性のあるお部屋の一部となります。掲載しているお部屋より上級の客室はキャンセル待ちとなります。3名1室利用の場合、2名までは2名1室の料金、3人目の方は50%引きの( )内の料金となります。ソファーベッドまたはプルダウン式のベッドをご利用となります。
クイーン・エリザベスはチップ制を導入しています。1名1室、2名1室利用の日本寄港についてのチップはクルーズ代金に含まれています。3名1室の3人目の方のみ、1泊あたりUS$11.50×8=US$92相当のチップを下船時にお支払いいただきます。
お部屋の位置 2名1室 1名1室 (3名1室の3人目)
■BB海側バルコニー【中央5~8F】 369,000円 645,750円 (184,500円)
■BD海側バルコニー【後方5~7F】 355,000円 621,250円 (177,500円)
■BE海側バルコニー【前/後方4~8F】350,000円 612,250円 (175,000円)
■EC海側角窓付き 【中/後方1F】 290,000円 507,500円 (145,000円)
※租税・手数料および港湾費用:16,852円
租税・手数料および港湾費用は変動するため参考金額です。クルーズ代金とは別に申し受けます。出発の約3か月前にお送りする残金請求で金額が確定します。
※上記以外のお部屋についてはお問合せください。
※取消料は出発日の前日より起算して遡って74日目に当たる2023年2月13日(月)より発生します。無料でのお取消しは休業日を挟むため、2月10日(金)午後6時までに郵船トラベルへお知らせください。
<2023年【Q316】ゴールデンウィーク 新緑の九州と韓国ご予約の方への特典のご紹介>
♥「はじめてキュナード」キャンペーン
初めてキュナードに乗船されるお客様で、2022年12月16日(金)までに【Q316】ゴールデンウィーク 新緑の九州と韓国の海側バルコニー(BA-CB)にお申込の方にはオンボードクレジットとして1室あたりUS$150相当を付与いたします。オンボードクレジットはお飲み物、オプショナルツアーなどに充当していただけます。
※2022年から2023年へご予約をお振替のお客様は本キャンペーンの対象外となります。
♥「郵船トラベルのお客様専属コーディネーター乗船予定」
クイーン・エリザベスは外国客船ですのでご不安もおありの方がいらっしゃるかもしれませんが、郵船トラベルでは2023年の4つのクルーズすべてに、郵船トラベルのお客様専属コーディネーターの乗船を予定しております。船内の見所を隈なくご案内するシップツアー、気軽に不明な点などをご質問、ご相談いただける受付デスク、郵船トラベル日本語船内新聞、寄港地の情報などをご案内いたします。特に初めて外国客船に乗船のお客様にとって心強い存在になるよう心をこめてご案内いたします。
<予約をご検討中のみなさまに贈るクルーズ説明会>
クイーン・エリザベスに乗船してみたいけれど、チップは?言葉は?お食事は?お部屋選びは?とご不安な方に、「今更聞けない」クルーズのあれこれも、添乗経験豊富なスタッフがわかりやすく船内生活をご案内します。
郵船トラベル クイーン・エリザベスセミナー
日時:2022年12月7日(水) 15:30~17:00
場所:丸ノ内ホテル(東京駅徒歩1分)
※会場の都合で限定人数での開催となります。
※新規ご予約をご検討中のお客様に限らせていただきます。
※定員15名様
※必ず下記担当者へお電話にて事前予約の上、お越し下さい。
電話番号:03-5213-9987
担当:小渕(おぶち)
英国の伝統と格式あるクイーン・エリザベス、日本にいながらにして英国に旅しているような気分を味わっていただけます。日本発着クルーズは基本のチップがクルーズ代金に含まれ、船内新聞やお食事のメニューも日本語でご案内、日本語を話すスタッフも乗船していますので安心です。英国パブでエールをかたむけ、ブラックプールさながらのホールでダンスに興じ、時にはフェンシング体験。華やかなガラ・イブニングでおしゃれをお楽しみ頂けるクイーン・エリザベスならではの旅に出かけてみませんか?クイーン・エリザベスのよもやま話はこちらのブログも是非ご覧ください。
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瀬戸内海の小さな生口島は美しい風景とアートがいっぱい!
瀬戸内海を徒歩で渡ることができるってご存じでしたか?距離にして約80km、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ西瀬戸自動車道(通称しまなみ海道)はそのほとんどに自転車歩行者道が併設され、本四連絡橋の中で唯一歩行可能。その名の通り「海の道」なのです。大島と今治に架かる来島海峡第二、第三大橋の道路は海からの高さ78mでビル20階相当。しまなみ海道の中で最も高く、遥かに芸予諸島の多島美の絶景を楽しむことができます。
芸予諸島は約50の有人離島がひしめき、しまなみ海道には向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島を結ぶ個性的な橋梁が架けられています。クルーズ船は来島海峡大橋または因島大橋をくぐりますが芸予諸島が寄港地となることは少なく、それぞれどのような島かご存じない方も多いかもしれません。今回はレモン薫るアートの島、広島県尾道市に属する生口島をご紹介します。
生口島は本土5島を除き、面積ランキングでは50番目、約31㎢で厳島神社で名高い宮島とほぼ同じ面積の小さな島です。江戸時代は塩田で生計を立てていましたが、現代は温暖な気候を生かし柑橘類の栽培が盛ん。中でもレモンは国内生産量日本一、全国の3割が生口島産なのです。化学肥料・化学合成農薬や除草剤を使わず皮まで食べられるレモンは丸ごと凍らせてすりおろすのがおすすめ。お肉やデザートにふりかけたり飲み物に入れると絶品、果汁だけでは感じられなかったレモン本来の芳醇な香りを堪能して頂けます。輸入品よりちょっとお高いですが是非お試し下さい。
生口島出身の著名人と言えば日本画界の巨匠、平山郁夫画伯(1930-2009)。代表作のひとつ、平成12年(2000年)に薬師寺の玄奘三蔵院伽藍に奉納された大唐西域壁画の製作期間は取材を含めると約20年、見るものを圧倒し、我々をシルクロードに誘う大作です。
300年続く瀬戸田の旧家に生まれ、美しい風景で育った平山郁夫でしたが、中学の学徒勤労動員のさなか広島で被爆し、その体験はその後の仏教、そしてシルクロードの作品に深く影響したと言われています。それでも「私の原点は瀬戸内の風土である」と語り、故郷をこよなく愛し、平成9年(1997年)には瀬戸田に平山郁夫美術館が開館しました。少年時代の作品も収蔵しているので、数々の名作の原点にふれてみてはいかがでしょうか。
お寺と言えば古いと思いますよね。ですが、耕三寺は生口島で最も有名な寺にして、伽藍の建造が始まったのは昭和2年(1929年)。大阪で成功した実業家金本耕三が母の為に故郷瀬戸田に家を建てたことが始まりだそうです。母亡き後は菩提を弔うために出家したそうですが、瀬戸田に誇れる文化財がないことから日光東照宮陽明門、平等院鳳凰堂、清水寺、京都御所紫宸殿、法隆寺など日本各地の名だたる歴史的建築物を原型とし伽藍を建造しました。失礼ながらレプリカには価値がないと思いがちなのですが、平成になってから建築物の特殊性が評価され、15棟が有形文化財として登録されました。絢爛豪華で一見の価値があり「なんだ偽物か」とは言わせない迫力です。
最も高い場所にある「未来心の丘」は5,000㎡におよぶイタリア産の白亜の大理石の丘で彫刻家、杭谷一東によるもの。眼下には瀬戸内海が広がり、エーゲ海を彷彿とさせる、日本とは思えない景観です。若者にも大人気のインスタ映えスポットです。
生口島は「島ごと美術館」とも呼ばれています。平成元年(1989年)から始められた世界一小さなアートプロジェクト「瀬戸田ビエンナーレ」により全部で17の作品が海岸沿いに設置されています。遊び心あふれ、島の風景に溶け込んだ芸術作品ばかり、作家自らが作品の設置場所を選び、その場所にふさわしい・・もしくは自分の作品のイメージに近い場所を選んで設置されています。瀬戸田町の観光案内所には一番人気の巨大なレモンのオブジェがあるので通りかかったら是非ご覧になって下さい。
駆け足で生口島の魅力をご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?行きたくなった!と思っていただければ幸いです。お伝えした通り、クルーズ船では寄港地となる機会が大変少ない小さな島ですが、だからこそ、瀬戸内海の魅力を肌で感じていただけるとも言えるのです。以下のクルーズが生口島を訪れますので是非ご参加下さい。
2023年2月17日(金)▶2月19日(日) 週末利用
にっぽん丸で航く しまなみ海道 3日間
神戸~生口島(通船)~博多
2023年2月17日(金)▶2月19日(日) 週末利用
【往路新幹線付】にっぽん丸で航くしまなみ海道 3日間
博多駅ー(新幹線)ー新神戸駅・・・PCR検査会場ー神戸~生口島(通船)~博多
※スーペリアツインのみの設定です。
※新神戸駅からPCR検査会場へはご自身で移動してください。
※新幹線はお好きな列車を手配します(普通指定席)。
上記以外のクルーズについては郵船トラベルのホームページをご覧ください。皆様からのご予約、お問合せをお待ちいたしております。
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小笠原クルーズは船上からの眺めにもご注目!東京都区部から1,200km離れた海上に浮かぶ「硫黄島」。さて、なんの形に見えますか?
J’ai montré mon chef d’oeuvre aux grandes personnes et je leur ai demandé si mon dessin leur faisait peur.(そこでぼくは、ぼくの傑作を大人に見せて、この絵を見て怖いと思うか尋ねた)。
Elles m’ont répondu: “Pourquoi un chapeau ferait-il peur?”(大人たちは答えた。「なんで帽子を見て怖いと思うんだい?」)。
え?いきなりフランス語?って小笠原クルーズと何が関係あるの?いえいえ、なにも関係ありません。この絵には見覚えありますよね。そうです、サン=テグジュペリ(Saint-Exupéry)の童話「星の王子さま(Le Petit Prince)」の第一章に登場する象を丸呑みしたヘビ(Boa)の挿絵です。
硫黄島(いおうとう)についてブログを書いてほしいと言われ、筆者は少し戸惑いました。第二次世界大戦末期の昭和20年(1945)、硫黄島の戦いで日米併せて約5万人が戦死・戦傷した激戦地であることが頭をよぎったからです。
戦後すでに77年もの時が流れ、かつての激戦地へクルーズする平和な日々を過ごすことができるようになりました。観光情報としてご紹介することが不謹慎なことかとも思ったのですが、そうではなく、母国を守ろうと戦い、犠牲となった兵士を「忘れない」ことが英霊を慰めることになるのだと、思いなおしました。
そこで、硫黄島の画像を探していますと、ふと「星の王子さま」の挿絵が思い浮かんだのです。そう、海上から見るとまるで象を飲み込んだヘビのよう!上空から見ても平べったいツチノコ?に見えてしまいます。
サン=テグジュペリはフランス軍のパイロットでしたが、太平洋は横断していません。上空からもし硫黄島を見たらどう思ったのでしょうね。
硫黄島は東京都区部、グアム島、南鳥島、沖縄本島からそれぞれ1,200kmから1,300kmほど離れた日本の排他的経済水域(EEZ)南端部に位置し、東京都であり小笠原諸島に属しています。父島からは南南東に約275km離れ、1年に1度程度小笠原からの観察クルーズ(上陸はしません)が実施されることがあるのですが、通常民間人は訪れることはできません。
【排他的経済水域(EEZ)とは】
領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く。)並びにその海底及びその下です。
なお、排他的経済水域においては、沿岸国に以下の権利、管轄権等が認められています。
1.天然資源の探査、開発、保存及び管理等のための主権的権利
2.人工島、施設及び構築物の設置及び利用に関する管轄権
3.海洋の科学的調査に関する管轄権
4.海洋環境の保護及び保全に関する管轄権
(参考資料:海上保安庁 海洋情報部ホームページ)。
現在、硫黄島には海上自衛隊と航空自衛隊の基地が置かれていて民間人は居住していないのですが、戦前は島民が居住していたこともあり、硫黄採掘やサトウキビの栽培などを行っていたそうです。とはいえここは活火山の島、地熱が高く、島のいたるところに噴気口があり、島の名の由来となった硫黄の臭いが立ち込めているそう。
海底からの比高は推定2,000m以上、海上からは標高170mの「摺鉢山(別名パイプ山)」が最高峰。これが象を飲み込んだヘビならぬ、伏せたすり鉢に見えるようです。また、白煙が昇る姿はパイプにも見えたかもしれません。
かつて1度も大陸と地続きになったことのない小笠原諸島、独自の進化を遂げた固有種の宝庫で冬から春にかけてはザトウクジラが子育ての場所に選び訪れます。とても魅力的な場所なのですが、唯一の難点は本州から遠いことと空港がないこと。定期船でも東京から24時間かかります。
それもあって、クルーズの目的地には最適、今回ご紹介した硫黄島まで南下する航路を行うクルーズは少ないのですが、小笠原までには途中、海上に忽然と現れる孤高の姿が印象的な「孀婦岩(そうふがん)」やかつては有人離島で羽毛の採取が行われていた「伊豆の鳥島」付近を航行します。
これらはすべて東京から南硫黄島まで連なる急峻な火山列島の先端部、ヘビが飲み込んでいたのは象ならぬ、巨大なエネルギーを秘めた2,000m級の火山だったのです。サン=テグジュペリが「星の王子さま」の中でキツネに語らせる名言がぴったりかもしれません。
On ne voit bien qu’avec le cœur. L’essentiel est invisible pour les yeux.(大切なことは目にはみえない。心でしかよく見えない)。
今はとても穏やかに見える島々には、かつて多くの犠牲者をともなう火山噴火や戦禍の歴史をはらんでいます。現在の平和を享受しながらも、それらの歴史にも目を向けてクルーズを楽しんでいただければ幸いです。
東京都島嶼部についてはこちらのブログもご覧ください。
♥クルーズでしか訪れることができない秘島の魅力、ドラマティックな東京都島嶼部をEEZ南端の南硫黄島まで、小笠原クルーズで探訪してみませんか
小笠原の魅力についてはこちらのブログもご覧ください。
♥ボニンブルーに染まる小笠原諸島で亜熱帯の固有種に出会い、マリンリゾートをエンジョイしませんか!
♥小笠原からの嬉しい便り ~奇跡の遭遇!アオウミガメ2000キロの旅~
いかがでしたでしょうか。小笠原へのクルーズは夏も人気なのですが、ザトウクジラが訪れ、ホエールウォッチングに最適な春もおすすめです。ぱしふぃっく びいなすがクルーズ事業を廃止するため、2023年の春はにっぽん丸だけが小笠原を訪れます。以下のクルーズが実施されますので訪れてみてはいかがでしょうか。
<にっぽん丸>
2023年2月9日(木)▶2月14日(火) 東京発着
●小笠原と硫黄島周遊クルーズ 6日間
●【東京都民クルーズ】小笠原と硫黄島周遊クルーズ 6日間
東京~(航海日)~父島(通船)~(硫黄島周遊)~(航海日)~東京
☆小笠原(父島)よりさらに約275km南下し、硫黄島までクルーズを楽しみます。
■東京都民クルーズはスーペリアツイン10室に限り10%引きで提供します。応募資格は東京都在住または在勤の方に限ります。
2023年3月11日(土)▶3月16日(木) 茨城県大洗発着
●春の小笠原クルーズ 6日間
大洗~(航海日)~父島(通船/停泊)~(航海日)~大洗
■無料シャトルバス(事前予約制):水戸市内(水戸京成パーキング・水戸駅南口)⇔大洗港
■有料送迎車プラン(タクシー・バス利用):首都圏、群馬県、栃木県、茨城県、福島県の各主要駅から大洗港への送迎も承ります。片道5,000円、往復10,000円(いずれもお1人様あたり)。詳細はお問合せください。
■大洗港駐車場無料留置プラン:大洗港では旅行期間中、無料駐車場をご用意いたします。
2023年3月17日(金)▶3月21日(火・祝) 東京発着
●春の小笠原クルーズ 5日間
東京~(航海日)~父島(通船)~(航海日)~東京
☆週末と春分の日の飛び石連休を利用して、現役の方やお子様でも参加しやすい日程です。
船旅にご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、または郵船トラベルのホームページをご覧ください。 お待ちしております!!
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クルーズでしか訪れることができない秘島の魅力、ドラマティックな東京都島嶼部をEEZ南端の南硫黄島まで、小笠原クルーズで探訪してみませんか
約6,800もの島々で成り立っている日本列島の94%は無人島、とりまく海域はどのような様子になっているのでしょうか。日本は領海、接続水域と排他的経済水域(EEZ)に深海域を多く含んでいます。日本の陸地の面積は世界第61位ですが、海の面積は世界第6位、日本の海域は深海が占め、海水を体積で換算すると世界第4位になるのです。
それでは今回は、小笠原クルーズで周遊することのある東京都島嶼部についてご案内します。まずは、領海等に関する用語を簡単にご説明しますのでお付き合いください(参考資料:海上保安庁 海洋情報部ホームページ)。
●領海
領海の基線からその外側12海里(約22km)の線までの海域で、沿岸国の主権は領海に及びます。ただし、すべての国の船舶は、領海において無害通航権を有します。
●接続水域
領海の基線からその外側24海里(約44km)の線までの海域で領海を除きます。沿岸国が、自国の領土又は領海内における通関、財政、出入国管理(密輸入や密入国等)又は衛生(伝染病等)に関する法令の違反の防止及び処罰を行うことが認められた水域です。
●排他的経済水域(EEZ)
領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域で領海を除きます。並びにその海底及びその下です。なお、排他的経済水域においては、沿岸国に一部の権利、管轄権等が認められています(詳細は海上保安庁のホームページ参照)。
日本列島の太平洋側の海底中央部には伊豆から約1,300kmの火山群の海嶺が連なり、島として存在するのは南硫黄島(無人島)までで、排他的経済水域(EEZ)の国境の島とも呼ばれてます。火山群の東側は日本海溝と名付けられ、水深7,000m以上の深さ。西側は最近なにかと話題の南海トラフで水深4,000m級。地球の平均水深が3,800mですので、日本列島は世界的にみて深い海に囲まれているのです。ちなみに環境省せとうちネットによりますと、多島美が美しい瀬戸内海の平均水深はわずか38m!日本海溝と比べると「水たまり」と言えるかもしれません。
東京都は伊豆諸島と小笠原群島に民間人が住む11の有人離島を持ち、この他に岩礁を含む無人島を多数所有し、これらの区域は東京都島嶼部(とうしょぶ)と呼ばれています。八丈島を含む伊豆七島は人気の観光地でもあり、訪れたことがある方も多いかと思います。
訪れるためには船のチャーターかヘリを利用しなければならない二重式カルデラの「青ヶ島」、空港がないため東京から24間の船旅となる小笠原群島の「父島」など有人離島でありながら、同じ東京都でも便利とはとても言えない島もあります。
これらの島々と岩礁は言うなれば海上から見える、“氷山の一角”。海の下には新たな陸地を生み出すエネルギーを秘めた急峻な火山が聳え、連なっているのです。離島の海底からの高さを測るのは地形が複雑なため容易ではなく、比高(注:海底の中の近くの平地と比べる)で表示されることが多いようです。最高峰地点の海上の高さは国土地理院地図を参考にしています。
伊豆諸島の南端、かつては有人離島であり特別天然記念物アホウドリの繁殖地である「伊豆鳥島」は、膨大な数のアホウドリが生息していることが江戸時代、すでに知られていました。明治時代に羽毛採取のため乱獲が始まり、明治45年までに少なくとも500万羽のアホウドリが殺されたと考えられています。
明治35年(1902)、伊豆鳥島は突然噴火し羽毛採取を行っていた島民125人全員の命が奪われてしまいました。当時、近くを航行していた日本郵船の船が大噴火を目撃し、救出のため島に接近したのですが、島民を一人も助けることができなかったそうです。そのため、この噴火は「アホウドリの呪い」と言われるようになったのです。追いかけられてもすぐに飛び立つことができないアホウドリは簡単に撲殺されていたそうですから、呪われても仕方ないのかもしれません・・・。
第二次世界大戦後、絶滅寸前だったアホウドリの保護活動が開始され、昭和40年(1965)の伊豆鳥島測候所(後の気象観測所)閉鎖により無人島となりました。現在、順調に繁殖しているようですが島には研究者や調査員以外は上陸することができません。クルーズ船が伊豆鳥島に接近する航路があれば、船上よりアホウドリの観察をされてはいかがでしょうか。
※アホウドリが生息する伊豆鳥島は一般的に鳥島と呼びます。沖ノ鳥島、南鳥島、沖縄県の鳥島(久米鳥島)と区別するため伊豆鳥島と明記しています。
伊豆鳥島の南約76kmの海上に忽然と孤高の姿を現すのは「孀婦岩(そうふがん)」。海上からの高さ99mで、ザトウジジラがジャンプしたような形をしています。この岩、実は海底から約2,500mと推定される火山の頭頂部なのです。柱状節理も観察でき、第四紀火山(約180万年前から現在まで活動している火山)とされていますが詳細は不明です。
岩の名前の孀婦とは寡婦(やもめ)を意味します。1788年にイギリス帝国のジョン・ミアーズが付近を航行した際、この姿に超人的な力が働いていると感じ、「旧約聖書」創世記19章26節に記された「神の命に背き、後ろを振り返ったために塩の柱となったロトの妻(Lot's wife)」と名付けたそうです。これが意訳されて孀婦となったそうです。
そして東京都心から約1,000km離れた小笠原(父島)よりさらに300km以上南下したところに、冒頭でご紹介したEEZ海域内の南端に国境の島「南硫黄島」があります。ここもれっきとした東京都、外観はピラミッド状、急峻な地形で最高標高は916m、伊豆諸島・小笠原群島の最高峰となります。原生自然環境保全地域に指定されいるので、全域が立入制限地区となっています。
南硫黄島と小笠原群島の間には、父島の南南西約200kmに位置する「北硫黄島」があります。海底火山の噴火浅根の上に出現し、山頂付近での火山活動が確認されていない島で、島の周囲はほどんどが断崖に囲まれ、波が高く、上陸は容易ではありません。現在は無人島となっていますが、太平洋戦争までは母島からの移住者が集落を作って居住していたそうです。
東京都の遺跡調査団により、8世紀~15、16世紀頃に残されたと見られる祭壇や墓地跡、石器や土器などの生活用品が発見されており、これらは本土の縄文・弥生文化とは異なっていることから、ミクロネシア文化圏の影響を受けているものと推定されています。歴史のロマンを感じる北硫黄島、今後のさらなる研究に期待ですね。
「硫黄島」は北硫黄島と南硫黄島の間にあり、いまだに火山活動が活発で、地熱が高く、島のいたるところに火山性ガス(二酸化硫黄)の噴気口があるため、その名の由来となりました。太平洋戦争末期にアメリカ軍が上陸し「硫黄島の戦い」で多くの両国兵士が戦死した激戦地で、米兵が星条旗をかかげる写真『硫黄島の星条旗』があまりに有名になり、ワシントンD.C.にある合衆国海兵隊記念碑のモデルとなりました。
現在、硫黄島には海上自衛隊と航空自衛隊の基地が置かれていて、基地関係者以外の立ち入りはできないそうです。
いかがでしたでしょうか。海上から見る島や岩礁はわずな姿、とはいえ山登りをしなくても、活動を続ける火山の頭頂部を見ていることになります。小笠原クルーズでは、伊豆鳥島や孀婦岩周辺を通航するのですが硫黄三島まで周遊するクルーズは少なく、父島での滞在とともに、東京都島嶼部の魅力を体感できる貴重な機会なのです。ぜひ、このようなクルーズがありましたらご参加してはいかがでしょうか。
※小笠原の観光情報は「小笠原村観光局」のホームページをご参照ください。
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