選択されているタグ : のどぐろ , 2021年 , 金沢

日本のいいとこ ~金沢の割烹カウンターで過ごすの夜~


 BS-TBSで2003年から放送されている「吉田類の酒場放浪記」という番組、ご存じでしょうか。イラストレーターで俳人の吉田類(よしだるい)が東京を中心に各地の酒場を巡ります。1回15分の放映時間で巡るお店のほとんどが個人経営、東京という街中の、その地域に密着した地元の方の為の居酒屋です。このわずか15分で不思議とそのお店にいるような楽しい気分にさせてくれます。
 今回ご紹介するのは、東京でもなく、居酒屋でもない金沢の割烹。えらい違いだと思わないでください。門構えも店内もお料理も、まさに割烹なのですが、吉田類が紹介するお店に通じることは、個人経営でけっして敷居が高くなくて、訪れる人を幸せな気持ちにさせてくれる憩いの場所であることです。


夜の犀川大橋、かなり立派です。

 金沢は日本海に流れる浅野川と犀川の間に金沢城や兼六園があり町の中心として発達しました。犀川大橋から香林坊に至る国道157号沿いにある繁華街、片町は居酒屋や割烹などの飲食店が集結する「金沢夜の顔」。金沢駅からは2.5kmほど。ホテルが多い百万石通り沿いからなら1km程度です。さて、今宵は片町へでかけてみましょう。


暖簾をくぐった先には・・・

 割烹「桶田」は繁華街の喧騒が嘘のような静かな路地にあり、そばにはかつて金沢の物流を担っていた大野庄用水が流れ風情ある雰囲気。今は暗渠になっている場所もありますが、犀川に流れはつながっています。
 
 予約をしているとはいえ、最初はちょっとドキドキしながら暖簾をくぐり、格子戸を開けると「いらっしゃいませ」という明るいご主人の声。すっきりとした店内でまず目に飛び込むのは9席のカウンター。ちょっと早かったのかまだ誰もいませんが、促されるままに端の1席を陣取ります。
                                                      

 初めての割烹のお店のカウンター、ましてや歴史ある金沢ともなれば誰しも緊張してしまいますがこのお店ならそんな心配は無用。親子での家族経営とのことでとてもアットホームな雰囲気です。その日のおすすめが書かれた手書きのお品書きからご主人と相談しながらお料理を出して頂きます。


レンコンのすり流し

 まずは日本海の新鮮な刺身の盛り合わせを頂き、そしてレンコンのすり流し(はす蒸し)。桶田自慢の一品で、金沢らしく金箔がちりばめられています。まったりしたあんのお出汁もいいお味。お料理は美しく盛られ、九谷焼など目にも美味しくしてくれる器の数々も楽しめます。同じお料理でも、いつも同じ器で出すことはしないそうで、季節感も出しているようです。
 
 そして、なんと言っても金沢に来たら食べてみたいのが甲箱蟹(こうばこがに)。オスのズワイガニは冷凍をスーパーでも手に入れることができますが、メスの甲箱蟹は水揚げされる時期も限られ(11月6日から12月29日にかけてのみ)地元以外でお目にかかれる機会はめったにありません。筆者はラッキーにもこの時期に訪れたようです。
 このお店の近くには金沢おでんで名高い行列必至のお店「赤玉」の本店があるのですが、ここでも1番人気は、かに面(かにつら)のおでん。地元の人も、季節になれば甲箱蟹を楽しみます。


甲箱蟹、卵を食べてしまってからの撮影です(汗)


 ご主人の軽妙なおもてなしと石川県の地酒ですっかりいい気分になった筆者は食べることに夢中になり、肝心の「のどぐろの味噌焼き」を撮影し忘れてしまいました。後に知ったことですが、ご主人は金沢一と言われた料亭「つる幸(惜しまれつつ2018年に閉店)」で焼きの桶田と呼ばれた職人さん。こちらのブログでものどぐろについてご紹介しましたが、高価なのどぐろを最高の状態で焼いてくれました。皮は味噌とあいまって香ばしく、身は適度に脂が落ちてぷりっとした触感です。

 すっかり夜もふけ、おなかも心も満たされお店を出ました。ちなみにこのお店、お品書きにはお値段が書かれていません。これも初めてなら緊張してしまうことなのですが、同じお料理内容でもし東京なら・・・恐らく倍くらいのお値段ではないかと筆者は推察します。金沢の人が「毎日行きたい」と、とても人気のあるお店とのことで、必ずご予約の上訪れて下さい。
*画像はすべて2019年以前に撮影したものです。


 旅先の気楽なランチも楽しいですが、金沢に訪れることがあれば、是非夜のお料理もお楽しみください。白山の伏流水が流れ込む豊な海で育まれた鮮魚、美味しい水がもたらすお米、野菜、お酒など食材の宝庫で歴史とともに培われた高いお料理の技術や美意識がともに整う場所は日本でも数少ないと思われます。
 以下のクルーズが金沢発着です。金沢は観光場所も充実しているので前泊、後泊してゆっくりお過ごしになるのもおすすめです。運航スケジュールは変更になる場合もありますので郵船トラベルにご確認下さい。

✿2021/7/26-7/28 飛鳥Ⅱ 夏の北前航路 境港・金沢クルーズ 2泊3日
 門司-境港-金沢
✿2021/7/28-7/30 飛鳥Ⅱ 夏の北前航路 酒田・函館クルーズ 2泊3日
 金沢-酒田-函館
✿2021/9/26-10/1 飛鳥Ⅱ 秋の日本一周Aコース 5泊6日
 横浜-函館-能代-金沢
✿2021/10/1-10/6 飛鳥Ⅱ 秋の日本一周Bコース 5泊6日
 金沢-門司-鹿児島-横浜

 まだまだ新型コロナウイルスの感染が収束していないのでご不安をお感じになられている方も多いかと存じます。飛鳥Ⅱの新型コロナウイルス感染症予防対策については4月12日4月15日4月21日の各ブログをご覧ください。また、にっぽん丸の対策についてはこちらの動画をご覧ください。いずれも詳細は郵船トラベルにお問合せ下さい。

船旅にご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、またはコース詳細の【旅行代金・お申込み】から!! お待ちしております!!
■東 京☎ 03-5213-9987 
■神 戸☎ 078-251-6218 
■福 岡☎ 092-475-0011 
無料パンフレット請求はこちらからどうぞ!!


投稿者名 emix-remix 投稿日時 2021年05月07日 | Permalink

日本のいいとこ ~日本海の贈り物、金沢でいただく「のどぐろ」~


 日本人は旬を迎えれば必ず1度は食べてみたい高級魚類がありますよね。京都なら冬はぐじ(甘鯛)や松葉ガニ、夏は鱧。季節が過ぎると店頭から姿を消し、また次の年を待ちます。この待ち遠しい気持ちがまた美味しく感じられるのかもしれません。
 さて、今回は都市部でも人気急上昇中の高級魚「のどくろ」について調べてみました。のどぐろの正式名称はアカムツ(赤鯥)で青森県から山口県にかけての日本海側で幅広く水揚げされる魚です。価格はかなりの高額、一般的なサイズは1匹200gで2,000円もします。黒毛和牛くらいの値段なのですが、肉と異なり魚は可食部は半分以下の95g(衝撃です)。さらにサイズが大きくなれば価格率も上がります(例:一匹400g~600gは約7,000円)。


気楽に手が出せる値段ではありません(涙)

 このように高価なのどくろですが、意外にも旬はなく、1年中一定量を捕獲されていることもあり、取引価格も通年、あまり変わらないそうです。価格が下がらない理由のひとつが養殖できないこと。人工授精、人工ふ化の研究はされているのですが、非常に難しく、商業ベースにのっていないのが現状です。


のどぐろの一夜干し

 金沢を訪れたら食べてみたいと思うのが人情、とはいえ高額だと知ってしまったらむむ、躊躇しつつもなおさら頂きたくなりますよね。
 お魚好きなら行ってみたい場所は近江町市場冬になれば松葉ガニが店頭に並び地方発送も出来るので大賑わいですが、鮮魚を旅行中に購入するのは憚るならのどぐろの一夜干しがおすすめ。小ぶりのものなら安価で購入できます。近江町市場には人気の海鮮丼や鰤のカマ焼きなど新鮮な魚介類を出す飲食店も併設しています。のどぐろは気楽なお店の握り寿司で一貫400円~500円位。またゆっくり味わうなら金沢の片町には素敵な割烹のお店も多く日本海の海の幸を使った洗練されたお料理をお楽しみ頂けます。

 さて、のどぐろはなぜこんなに人気なのでしょう。のどぐろは「白身のトロ」とよばれるほど、とにかく脂がのった魚です。刺身や鮨の表面はテカテカしていて、口に入れると、とろけるような味わいです。皮を少し炙ると香ばしさがでてさらに美味しくなります。生でも焼き魚でも美味しく、調理方法はあまり選びません。薄造りはしゃぶしゃぶもおすすめです。脂っぽい魚なので酢橘の爽やかさがお似合い、ちょっと絞ってお召上がり下さい。


 筆者はのどぐろを何度も食したわけではなく、地元ではほんの2回だけ。富山の寿司屋(最後の1貫でした)、金沢の片町の割烹で焼き魚、いずれもほんの一口でした。後ろ髪をひかれつつ、金沢から帰路につくとき、駅でみつけました!炙りのどぐろの棒寿司、ひとつ1,600円です。家に持ち帰るのも待ちきれず、帰りの列車でぺろりと食べてしまいました。のどぐろは肉厚ではありませんが、炙っているので香ばしく冷めても美味。また表面にはうっすら昆布が乗っているのですが、昆布がまろやかな味わいにしてくれます。のどぐろだけを食べるとかなりしっかりとした脂ののった風味を楽しめます。列車の中でしたのでビール片手にいただきましたが、日本酒のほうがお似合いですね。金沢は駅弁も充実していて、香箱蟹や甘えび、金沢牛のお弁当など美味しそうなものがいっぱい。また、季節を変えて金沢を訪れたいと思いました。


炙りのどぐろの棒寿司

 金沢に訪れることがあれば、お寿司屋さんや割烹で、是非のどぐろをご賞味下さい。お店に立ち寄る時間がなければ炙り棒寿司を駅で購入されてはいかがでしょう。以下のクルーズが金沢発着です。金沢は観光場所も充実しているので前泊、後泊してゆっくりお過ごしになるのもおすすめです。運航スケジュールは変更になる場合もありますので郵船トラベルにご確認下さい。

✿2021/7/26-7/28 飛鳥Ⅱ 夏の北前航路 境港・金沢クルーズ 2泊3日
 門司-境港-金沢
✿2021/7/28-7/30 飛鳥Ⅱ 夏の北前航路 酒田・函館クルーズ 2泊3日
 金沢-酒田-函館
✿2021/9/26-10/1 飛鳥Ⅱ 秋の日本一周Aコース 5泊6日
 横浜-函館-能代-金沢
✿2021/10/1-10/6 飛鳥Ⅱ 秋の日本一周Bコース 5泊6日
 金沢-門司-鹿児島-横浜

 まだまだ新型コロナウイルスの感染が収束していないのでご不安をお感じになられている方も多いかと存じます。飛鳥Ⅱの新型コロナウイルス感染症予防対策については4月12日4月15日4月21日の各ブログをご覧ください。また、にっぽん丸の対策についてはこちらの動画をご覧ください。いずれも詳細は郵船トラベルにお問合せ下さい。

船旅にご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、またはコース詳細の【旅行代金・お申込み】から!! お待ちしております!!
■東 京☎ 03-5213-9987 
■神 戸☎ 078-251-6218 
■福 岡☎ 092-475-0011 
無料パンフレット請求はこちらからどうぞ!!


投稿者名 emix-remix 投稿日時 2021年05月06日 | Permalink