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日本のいいとこ ~能登の暮らしに溶け込んだ合鹿椀(ごうろくわん)~


 マンガ盛りって聞いたことがありますよね。マンガ日本昔話によく登場する、ご飯がお茶碗や丼にうず高く盛られている、あれです。
 本来の言い方は「てんこ盛り」。この「てんこ盛り」状態が一番似合うのが今回ご紹介する合鹿椀(ごうろくわん)です。画像をご覧いただくと、「あ、時代劇でよく見かけるお椀だ」と思いますよね。でもこのお椀、奥能登の旧柳田村で村の生活の中から自然発生的に作られた生活用品のひとつなのです。奥能登といえば、誰しも知る輪島塗が有名ですが、こちらは石川県を代表する工芸品として沈金や蒔絵が施され豪華絢爛をいう言葉がふさわしい逸品です。この輪島塗のルーツが素朴な合鹿椀であるという説もあるそうです。
 さて、この合鹿椀の一番の特徴はお椀の足にあたる高台(こうだい)が高いこと。高台が高いということは、さぞ偉い方に献上するために作ったのでは、と思いがちなのですが、実は真逆。お椀を直接床や土間に置いて食事したり、漁場なら船上で、あるいは田畑などの屋外で農作業の合間に食事をするためにこのような安定したお形状になったそうです。


昔話にでてきそうな奥能登の旅館

 筆者と合鹿椀との出会いは奥能登の珠洲市に旅したときのこと、周囲にはなにもない、林の奥にある趣ある旅館で客室は3部屋。冬場は雪に埋もれて休業し、お料理は素朴な田舎料理ながら洗練されている・・・。なにより合鹿椀の器が美しく黒漆器に炊き立てご飯が映える素晴らしいしつらえでした。この旅館、旧柳田村より約24km離れた場所にあります。
 合鹿椀に一目ぼれした筆者は金沢に戻り、石川県の工芸品を扱う「しいのき迎賓館」のセレクトショップで探したところ、ありました!ところが、とても気軽に購入できるお値段ではありません。泣く泣くあきらめ帰路につきました。


一汁三菜に松茸ごはんの朝食

 合鹿椀のふるさと、旧柳田村(現能登町)は周囲を鉢伏山や宝達山に囲まれ、木地師と呼ばれる職人が多く存在しました。村には欅(ケヤキ)の木が茂り、合鹿椀の材料となりました。下地には灰を混ぜた柿渋を塗り、その上に生漆(きうるし)を塗って仕上げます。当初は生活用品として作られた器はその後、ハレの日用としてお嫁入道具となりました。現在のように結婚式の披露宴をホテルで行う、なんてことのない時代、家庭に親戚縁者を招き、合鹿椀で宴会をした風景が目に浮びます。

 石川県はどちらかと言うと華やかな銘品、輪島塗、加賀友禅、金沢箔、九谷焼などが有名なのですが、合鹿椀のように庶民の生活用品から発達した素朴で用の美をもつ工芸品もあることを知り、改めて文化意識の高さに敬服しました。このお椀は通販でも購入できるのですが、ひとつ4万円くらいします。高価ではありますが、あくまで生活の器でとても丈夫。日常的にお使いになることで、人生を豊かにしてくれそうです。

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✿2021/6/2-6/4  にっぽん丸 門司/鳥取/金沢クルーズ 2泊3日
 門司-鳥取-金沢
✿2021/6/4-6/6 にっぽん丸 輪島クルーズ 2泊3日
 金沢-輪島-金沢
✿2021/7/26-7/28 飛鳥Ⅱ 夏の北前航路 境港・金沢クルーズ 2泊3日
 門司-境港-金沢
✿2021/7/28-7/30 飛鳥Ⅱ 夏の北前航路 酒田・函館クルーズ 2泊3日
 金沢-酒田-函館
✿2021/9/26-10/1 飛鳥Ⅱ 秋の日本一周Aコース 5泊6日
 横浜-函館-能代-金沢
✿2021/10/1-10/6 飛鳥Ⅱ 秋の日本一周Bコース 5泊6日
 金沢-門司-鹿児島-横浜

 まだまだ新型コロナウイルスの感染が収束していないのでご不安をお感じになられている方も多いかと存じます。飛鳥Ⅱの新型コロナウイルス感染症予防対策については4月12日4月15日4月21日の各ブログをご覧ください。また、にっぽん丸の対策についてはこちらの動画をご覧ください。いずれも詳細は郵船トラベルにお問合せ下さい。

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投稿者名 emix-remix 投稿日時 2021年04月23日 | Permalink