真の美食とは・・・「ガンツウ」で食材の宝庫、瀬戸内海を食べつくす
瀬戸内海に隣接する府県は11を数えます。このうち島を保有していないのは大阪府のみ、727もあるひしめくようなこの島々に瀬戸内海で獲れる魚の美味しさの秘密があるようです。
穏やかに見える瀬戸内海の魚はなぜ美味しいのでしょうか?瀬戸は「狭門」を意味し、陸地が迫り急流をなす狭い海峡部。無数の島々が浮かぶ瀬戸内海には多くの瀬戸があり、海が河のように流れる瀬戸内海特有の環境なのです。内海は干満の差が激しく、鳴門の渦潮のような激しい潮流が瀬戸内海の多くの場所に存在します。このような環境がアスリート系の引き締まった身を持ち、旨味が凝縮された魚類を生み出しています。
この激しい海流は海底を撹拌し、光合成により植物プランクトンが生育して栄養満点な海となります。それがオキアミなどの餌となり、オキアミを鯛などの魚が捕食する。この食物連鎖が日本でもまれにみる豊かな漁場となっているのです。
オキアミや小エビなど美味しい餌をたらふく食べた天然鯛、身も桜色に染まり見た目の美しさと美味しさで瀬戸内海を代表するブランド鯛ですが、現在鯛は養殖が8割。天然鯛のほとんどは地元で消費されていてます。祝膳に供されるお頭付きはハレの日の特別な御馳走です。
また、瀬戸内海を代表するマダコは明石や三原沖で蛸壺漁が行われ、「瀬戸内海の蛸は立って歩く」と言われるほど頭足類のアスリート。日頃はモロッコなど遠方からはるばる日本に運ばれた蛸しか食べられませんが、瀬戸内海でなら、ぜひとも吸盤が吸い付く生の蛸を食べてみたいですね。航路によりガンツウでは三原沖で漁師さんより蛸の仕入れを行います。
豊かな瀬戸内海に浮かぶガンツウでは港から持ち込む食材を使用するほかに、その日に揚がった魚を船の上で直接漁師さんから受け取ります。何が揚がるかはその日の“お楽しみ”。
ガンツウのお食事は、有名人も御用達、原宿にある日本料理の名店「重よし」の佐藤憲三氏が監修。まずは食材を選んで刺身、炭焼き、煮つけ、唐揚げと好みの調理方法をお願いすることができます。歯ごたえのある鯛ならポン酢でいただく薄造りもおすすめ。柔らかい魚が好みなら、かわはぎの煮つけや刺身を魚界のフォアグラと呼ばれる肝につけて頂くのもオツなもの。見た目がちょっと怖いカサゴやオコゼがあれば唐揚げに。どのように調理しても美味な車えびは炭火でさっと炙ってパリっとした足も楽しみます。熱狂的なファンも多い淡路島や関門海峡周辺、布刈瀬戸、備讃瀬戸のトラフグのてっさ、てっちりも冬の楽しみです。
瀬戸内海の夕景を眺めながら、水揚げされたばかりの鮮魚を洗練された技法で、しかも目の前で調理してくれるなんて至福としか言いようのないひと時です。
もうひとつのお楽しみはわずか6席の鮨カウンター。「淡路島 亙(のぶ)」の坂本亙生氏が監修します。鮮度抜群の白身魚、控えめな酢、自家製のガリ、鮫皮でおろしたワサビなど徹底した味へのこだわりがあり遠方からも客足が途絶えない超有名店。素晴らしい技が繰り広げられる鮨をカウンター越しに海を眺めながら楽しめるなんてさすがガンツウです。日頃は赤身の魚派の方も、ぜひ、瀬戸内海の白身魚の旨さを堪能してください。
最後にどうしてもご紹介したい海の幸はガンツウの名前の由来となった瀬戸内海の特産「渡り蟹」です。渡り蟹はガザミ、イシガニとも呼ばれなじみのある方は少ないかもしれません。蟹と言えば、日本海の名産品松葉ガニや北海道の毛ガニ、タラバガニを連想する方がほとんどとは思いますが、渡り蟹の雌の内子や雄の蟹味噌、繊細な身は絶品です。都市部の鮮魚店やスーパーでは入手が難しいのですが、一度味わえば病みつきになるほどの旨味です。殻からも美味しいお出汁が取れるので、お味噌汁にも入れます。ガンツウの食材にもしあれば、ぜひともお試しになって下さい。
※ご紹介した各お料理は一例です。当日の仕入れ状況で内容は変わります。
この他にも、放牧で育てられた和牛を使った洋食、ラウンジでは風情ある奈良町の「樫舎(かしや)」喜多誠一郎氏監修の職人作り立ての和菓子のご用意など、ご紹介しきれないほどのグルメが満載です。
真の美食とは・・・やはり地産地消。お食事で使われる食材はすべて瀬戸内海沿岸のものを使用し、新鮮なまま優れた技術でお料理という芸術品に仕上げています。ここに過行く瀬戸内海の風景が加わりお客様の旅を忘れがたい体験にしてくれます。「あ~いい旅ができた」と、心から思っていただけると確信しています。
郵船トラベルでは2021年12月に初の試みとなるガンツウのチャータークルーズを実施し、好評の内に終了しました。2022年は個人で乗船できるガンツウのコースを多数設定いたしましたので、お客様のご都合とお好みでお選びいただくことができます。
全航路、広島県尾道市にあるベラビスタマリーナの出港・帰港となります。JR福山駅または広島空港までの往復送迎サービスは、乗下船日当日に限り、事前予約制にてご利用いただけます(追加代金なし)。また、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道での前泊、後泊の手配も承ります。
詳しくはこちらをご覧ください。船旅にご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、または郵船トラベルのホームページをご覧ください。 お待ちしております!!
■東 京☎ 03-5213-9987
■神 戸☎ 078-251-6218
■福 岡☎ 092-475-0011
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瀬戸内海を漂うように過ごす、人生最高の旅を「ガンツウ」で。
幼きころ、夏になると母の実家のある香川県丸亀市を訪れていました。まだ、本州四国連絡橋はひとつも架けられておらず、山陽新幹線も開通前。神戸から特急「うずしお」に乗り、宇野まで2時間以上の列車旅。そして宇高連絡船に乗り換えて瀬戸内海を渡ること約1時間。高松に着くと座席の奪い合いでスタートダッシュをかける乗客がいるほど激しく混雑している予讃線のローカル列車で30分、祖父母の待つ城下町、丸亀へやっとたどり着いたのでした。
現代のクルーズの旅とは比べるまでもなく、優雅とは言えない帰省でしたが、連絡船から眺める移り行く島々は筆者にとっての船旅の原風景でもありました。
瀬戸内海には周囲100m以上の島が727あり、広島県が最も多く142を数えます。内海多島海という庭園のように穏やかな自然と、漁業や海運業に従事する多くの人々に培われた歴史、文化が織りなす海のタペストリー。温和な気候、明るい住民、豊かな海の幸・・・初めて訪れる人にもふるさとを思わせる親しみを感じて頂けるのではないでしょうか。
すでに明治時代に西洋からも「世界第一ノ景」と評されてきた瀬戸内海の島々、2010年に開催された瀬戸内国際芸術祭で日本のみならず、海外からも注目されるのですが、大きなクルーズ船の寄港地とはなり得ませんでした。
小さな島はクルーズ船規模の乗客を一度に受け入れられない環境、大型バスはなくタクシーも島で1台、大きな桟橋はひとつもありません。牡蠣や鯛などを養殖する筏や漁網がひしめき、商業船やフェリーがひっきりなしに行き交い、大型船で島に近づくのは容易ではありません。
そんな中、広島県福山市に拠点を置く常石造船はせとうちの海に最もふさわしい宿泊可能な小型クルーズ船を建造。日本初の瀬戸内海専用の「ガンツウ」は起工より約1年後の2017年10月17日、満を持して就航しました。
船のデザインを手掛けたのは建築家 堀部安嗣氏。コンセプトは「せとうち、漂泊」。キーワードは「ちょうど良い加減の、おもてなし」。堀部氏によると、瀬戸内海は海面がシルバーに輝くような色合いになることがよくあり、景色に溶けるようにシルバーの外装を選択したそうです。また、瀬戸内海の町の風景にも合うように、日本的な切妻屋根。内装には防火処理したアルダーという木材をふんだんに使い、場所によっては壁に漆喰も塗られています。
船内のすべての場所が「居心地」を最優先に考えられて設えられていて、なによりも船の中に縁側があるなんて、想像もしたことがありません。ここに座って、木のぬくもりにくるまれ、島影が過ぎていく風景を楽しむ・・・まさに大人の時間。眩しい朝日からシャンパンカラーに染まる夕景まで、だれにも邪魔されず、潮風を感じながらただ座っているだけでいい、そんな場所がある船が他にあるのでしょうか。
唯一無二のガンツウは客室わずか19部屋。最少のお部屋でも50㎡で海を眺めることができるお部屋とお風呂が設えられています。さらには乗船条件は15歳以上、2名1室または1名1室のみのご利用となります。なぜなら、大人の旅は自分の時間を過ごす旅、ご自身のペースで癒しの時間をお過ごしいただきたいからなのです。
ガンツウはどこにも寄港しません。3日間、漂う船にいるのも良いですし、洗練された堀部安嗣氏デザインのテンダーボートに乗って喧騒とはかけ離れた、まだ誰もいない早朝の安芸の宮島に上陸して厳島神社を参拝するも良し、夜は光輝く水島コンビナートの夜景を眺めながら冷えたシャブリを傾けるひとときを楽しむ・・・そんな時間を過ごすことができます。
ガンツウは3,013トン、最大乗客数の38名で割ると一人当たりのスペースレイシオは約80トン。これは世界最高峰の客船と言われるオイローパ2と肩を並べます。乗組員は乗客数を超える46名。海洋を航行するクルーズ業界でもこの二つのラグジュアリーな条件をクリアする船はほぼありません。とはいえ「ちょうどいい加減の、おもてなし」が貫かれ、乗客があくまでの自由に、思うままを過ごせるよう、上質で、細部まで行き届きながらも、そっとしたサービスなのです。
お客様の期待は当然、船内でのお食事、特に瀬戸内海の海の幸にも目が向きます。素晴らしい瀬戸内海の食材の数々は次回のブログで詳しくご紹介するとして今回は「人生最高の旅」の片りんにふれて頂きました。それでは最後にガンツウが生まれるに至る常石造船の客船guntûメイキングムービー「Behind The Scenes : guntû」をご覧ください。
郵船トラベルでは2021年12月に初の試みとなるガンツウのチャータークルーズを実施し、好評の内に終了しました。2022年は個人で乗船できるガンツウのコースを多数設定いたしましたので、お客様のご都合とお好みでお選びいただくことができます。
全航路、広島県尾道市にあるベラビスタマリーナの出港・帰港となります。JR福山駅または広島空港までの往復送迎サービスは、乗下船日当日に限り、事前予約制にてご利用いただけます(追加代金なし)。また、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道での前泊、後泊の手配も承ります。
詳しくはこちらをご覧ください。船旅にご興味のある方、ご旅行をご検討中の方、お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、または郵船トラベルのホームページをご覧ください。 お待ちしております!!
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四日市に寄港するクルーズで花とイルミネーションの“なばなの里”を訪れませんか。
三重県の観光地ならどこを思い浮かべますか。やはり伊勢志摩でしょうか。まずは日本人の心のふるさと“お伊勢さん”、おもちゃを隠し持つラッコのメイちゃんで話題になった鳥羽水族館、平成28年(2016)にG7伊勢志摩サミットが行われた英虞湾に浮かぶ風光明媚な賢島・・・。クルーズ船は鳥羽沖に錨泊し、通船(テンダーボート)で上陸することが多いのですが、もう一つ、三重県には大型船でも着岸できる四日市港があるのです。
四日市といえばコンビナート、商業港というイメージが強いかもしれません。実は観光にとても便利な港なのです。まずご紹介するのはナガシマリゾートの一施設である「なばなの里」。ナガシマリゾートはジャンボ海水プールや白鯨などの数々の絶叫マシンがある「長島スパーランド」、長島温泉、アウトレット、ホテルなども併設されている一大レジャーランドで有名。「なばなの里」とは7kmほど離れた場所にあり、公共バスで結ばれています。
四日市港から「なばなの里」へはわずか20km、渋滞していなければ車で30分程度で訪れることができます。「なばなの里」は季節ごとに開花する花を楽しむことができ、2月下旬~3月下旬は梅、水仙、桃、河津桜やソメイヨシノなど多様な種類の花を鑑賞できます。3月下旬~4月下旬は桜に加え、面積約43,000㎡(ナゴヤドームのフィールド約3.2個分)もある国内最大級の花園、花ひろばでチューリップまつりが開催され、180万球もの色とりどりのチューリップが花の絨毯を作ります。花ひろばに併設された展望台からは、ひろば全体を眺望でき、春らしい風景ををお楽しみいただけます。
「なばなの里」の魅力はお花だけではありません。平成16年(2004)から始まったLEDによるイルミネーションは当初、冬のイベントとして11月末から1月末までの開催でしたが、年々規模を拡大し、人気も高まるにつれ期間を延長。今回は2021年10月23日~2022年5月31日まで開催されています。
イルミネーションは7つのスポットで開催され、メイン会場は毎年テーマが変わります。今回のテーマは「雲海」。大雲海からそびえる山々の雄々しい姿、花々に覆われた山麓の風景、雪化粧の山々と水が生み出す大地の鼓動、そして砂と嵐が織りなす黄金色に輝く大砂丘の絶景美など、ダイナミックに変化していきます。1つのシーンは約3分間。「雲海の花山」、「雲海の雪山」、「雲海の風山」の大きく3つのシーンに分け、約9分間構成となります。
この他にも、200m続く光のトンネル「華回廊」、木曽三川の流れを現した水上イルミネーション「光の大河」など鑑賞者を飽きさせない演出の数々。一度はご覧いただく価値のある日本最大級のイルミネーションです。点灯時刻は季節により変わり、ぱしふぃっく びいなすが四日市に入港する4月3日は18:30の点灯を予定しています。2021年12月現在、21:00までの営業ですが今後延長となる可能性もあります。
四日市は三重県なのですが、名古屋へは好アクセス。近鉄四日市駅から近鉄名古屋駅までは近鉄特急で30分程度です。飛鳥Ⅱが※観光ツアーを予定している三種の神器の一つ、草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を主祭神とする愛知県を代表する神社、熱田神宮へは四日市港から渋滞なしで車で1時間程度で訪れることができます。
また、ぱしふぃっくびいなすが※オプショナルツアーを予定している伊勢神宮「内宮」へは車で2時間ほど。自由行動なら伊勢神宮外宮のある近鉄伊勢市駅までは近鉄四日市駅から近鉄特急で1時間弱で訪れることができます。「なばなの里」のみならず、少し足を延ばして観光するのも良いですね。
※観光ツアー、オプショナルツアーとも別料金となります。
※新型コロナウイルス感染状況により、自由行動に制限がかかる場合があります。
※「なばなの里」のイルミネーションが鑑賞できるのは、ぱしふぃっく びいなすのみとなります。
春といえば咲き誇る花々や桜を愛でる旅が一番。春の花が一堂に会する「なばなの里」へぜひクルーズでお出かけ下さい。以下のコースが四日市に寄港します。
<飛鳥Ⅱ>
✿2022/3/7(月)▶3/10(木) 横浜 結航路 春の四日市・紀州日高クルーズ 4日間
横浜~四日市~日高(和歌山)~横浜
✿2022/3/19(土)▶3/22(火) 春の連休 四日市クルーズ 4日間
横浜~四日市~<終日航海>~横浜
<ぱしふぃっく びいなす>
✿2022/4/2(土)▶4/4(月) なばなの里 花まつり&イルミネーションクルーズ 3日間
横浜~四日市~横浜
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平安時代の添乗員は大変だった? ~現代の熊野詣はクルーズでらくらく~
「陸の孤島」という言葉があります。文字通り、陸地にありながら絶海の孤島のように容易にたどり着けない場所です。日本列島の約70%が山岳地帯と丘陵地に占められているためこのような場所が多いのですが、その一つが紀伊半島の南端、熊野です。昭和34年(1959年)に紀州本線が開通するまで「陸の孤島」と呼ばれていました。
車も列車もない平安時代、907年の宇多法皇から1281年の亀山上皇までの374年の間におよそ100度の熊野御幸(上皇・法皇が外出すること)が行われました。その後、中世期には「蟻の熊野詣」と言われるほどブームになり、庶民にも広がったそうです。とはいえ京都から最短でも片道約200km、現在ですら、クルーズ船が寄港する新宮港までは車でも列車でも4時間もかかるにもかかわらず・・・です。
当時の熊野御幸の様子は平安時代の有名歌人藤原定家の日記「明月記(国宝)」に残っています。これによりますと、当時22歳の後鳥羽上皇の御幸に供奉(同行)した藤原定家は40歳。
1201年10月5日に京都の城南宮を出発、16日に熊野本宮大社、18日に熊野速玉大社、19日に那智の滝に到達し、難所を越えて26日に京都に帰着する22日間のグランドツアーです。
彼の任務は一行に先駆けて船や昼食、宿所を設営することでした。日頃はインドア派、小倉百人一首の選者になるほどの歌人は、不慣れながら上皇のために馬を馳せ、御経供養や奉幣(社寺に御経や供物の提供)に奔走します。予定していた宿舎が忌中で利用できないなどのハプニングに見舞われ、夜は上皇に請われエンターテイメントとして歌会の開催。とにかく、ボロボロになるほど大変だったと日記には記載されています。南紀の暑さで体調を崩し、後半は日記の筆がすすまなくなるほど、辛い状態になりました。
京に戻った翌日は、早朝から旅で利用した雑物(アウトドア用品?)を洗い、先達(山岳の指導者)に返却したとも書いてあります。ご苦労さまでした。
あれ、筆者は全く縁が無いと思っていた平安歌人に急に親近感がわきました。定家が行ったことは、まさにお客様のために東奔西走する旅行会社の添乗員!旅行会社の業務は手数料が収入になる営利行為ですが、こんなに大変な目に遭いながらも手配を請け負った定家の目的はなんだったのでしょうか?
ズバリ出世です。一説によるとこの時の位は左近衛少将でしたが、中将に取り上げて欲しかったそうです。功績をあげて、課長から部長になりたい、という感じでしょうか。
この話には残念なオチがあります。この年の12月23日徐目(任官の儀式)の日、定家には何の音沙汰もなかったとか(泣)。
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩(もしほ)の 身もこがれつつ
(藤原定家 小倉百人一首)
藤原定家のように苦労しなくても、現代の熊野詣はクルーズなら、らくらくです。ちなみに、熊野御幸は天皇を引退した上皇・法皇のみで、現役の天皇は1度も行っていません。
熊野詣は聖地を目指し、蘇りを願う信仰であり修行であったのですが、実際には遊興の意味合いも兼ねていました。時間もお金も自由に使える引退後の長旅は、いつの時代も現役では難しいようです。
平成16年(2004年)熊野古道は「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。代表的なルートは紀伊半島の西側「紀伊路」、東側は「伊勢路」です。前者がご紹介した御幸が通った道で、道筋には休憩所を兼ねた王子社がまつられていました。後者は、江戸時代に伊勢参宮を終えた旅人達が辿った道で、いわば庶民の道でした。そして中央には熊野三山を結ぶ「中辺路」が通じています。これらの熊野古道は今ではトレッキングを楽しむ方が多く、木々に囲まれた石畳を歩くと夏でも涼やかな風が吹いています。
熊野古道は新宮市の熊野速玉大社、田辺市の熊野本宮大社、そして那智勝浦町にある熊野那智大社を詣でる道です。古代より神々の霊が隠れ籠る独自の聖域をなした場所に祀られていた熊野三山ですが、不便な場所にあるからこそ、いにしえの高貴な方々を魅了したのかもしれません。すでに訪れている方も多いかもしれませんが、34回も御幸した後白河上皇のように、蘇りを願い、何度も訪れてみてはいかがでしょうか?
古代からの聖地、熊野を訪れ、いにしえの人々の足跡をたどってみてはいかがでしょうか?下記のクルーズが新宮に寄港します。
✿2022/1/4(火)▶1/7(金)
初春の宝船 にっぽん丸 新宮・瀬戸内海 4日間
✿2022/3/16(水)▶3/19(土)
飛鳥Ⅱ 横浜 結航路 駿河・新宮クルーズ 4日間
✿2022/3/28(月)▶4/1(金)
ぱしふぃっく びいなす 春爛漫 黒潮海道クルーズ ~新宮・高知・日高~ 5日間
上記の他にも多数コースがございます。お問い合わせ・お申し込みは下記クルーズセンター、または郵船トラベルのホームページをご覧ください。 お待ちしております!!
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大島紬のふるさとを訪れてみませんか。~奄美大島の特産品をめぐる旅~
奄美大島は沖縄と鹿児島のちょうど中間地点にある奄美群島の中心的な島。本土四島を除く面積ランキングでは佐渡島に次ぎ5番目で東京23区よりも大きな島です。鹿児島県に属す奄美群島は、奄美大島の他、喜界島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島の8つの有人離島で成り立っています。これらの島々の名を聞いて、沖縄じゃなかったんだ、と思った方もいらっしゃるかもしれません。島そのものは沖縄同様コーラルブルーの海に囲まれ、固有種が生息し、海洋生物の宝庫としてダイビングのメッカでもあるのですが、文化的にはかの琉球王国の影響も受け、奈良時代には遣唐使船の寄港地でもあったため、大陸文化も色濃く残すユニークな島なのです。
奄美大島といえば特産品の大島紬を連想された方も多いかと思います。フランスのゴブラン織、イランのペルシャ絨毯と並び、世界三大織物に数えられる着物の女王。養蚕の適地として奈良時代以前より絹糸作りが行われていたようで、正倉院宝物の書簡にも記された献上品「南方の赤褐色の着物」が大島紬とされています。
当初は真綿でも織られていたようですが、大正期に絹糸100%の製品となり、昭和50年(1975)には通産省(現経済通産省)の伝統的工芸品指定品目として「本場大島紬」が登録されました。生糸(絹)を使用し、先染めの平織り、かすり糸のかすりを手作業により柄合わせをするなどの30以上もの工程を踏んだものだけを本場大島紬と名乗ることができます。
手紡ぎの糸を、テーチ木(車輪梅)という奄美エリアに生息する植物の煎汁液と、鉄分を含む泥土でこげ茶色に発色させる「泥染め」を行うため、優雅な光沢を持ち、しなやかで軽く、シワになりにくいという特徴があります。また着崩れや虫食いが起きにくいので、孫子の代まで200年着用できるとも言われています。そうなると、気になるのはお値段です。
お着物をお召しになる方ならよくご存じかと思いますが、憧れの大島紬はお安いものでも一反30万円はするそうで、100万円以上の価格のものがざらにあるそう。これでは・・・奄美大島を訪れても、気楽に買い求めることはできません。ですが、多くの伝統工芸品がそうであるように、近年はもっと気楽にお求めいただけるアイテムも作っているようです。たとえば、ビールカップ、ハンカチ、スカーフ、バッグ、携帯ケース、ペンなど。数千円から数万円くらいの価格です。もしお気に入りの柄に出会ったら旅の記念にご購入されても良いですね。
この記事を読んでいただいて、「あれ、もしかして大島紬が我が家にもあるのでは・・・」と思い当たるなら、箪笥の肥やしに陽の目を当てる日が来ました。奄美大島に寄港するクルーズでお召しになられてはいかがでしょうか。大島紬は高価ではあるのですが、クルーズ船のドレスコードでは「カジュアル」の日にご着用頂けます。軽くてしわになりにくい素材は旅行にぴったり。宅配便をご利用いただければ運搬もらくらくです。大島紬をお召しいただければ、旅の気分もぐっと高まる事間違いなしです。
亜熱帯の雰囲気でありながら、多くの歴史と文化を育んできた魅力的な奄美大島、以下のクルーズが予定されています。この機会に是非、奄美大島の自然と文化に触れてみてはいかがでしょうか?
<にっぽん丸>
✿2022/3/4(金)▶3/9(水) 東京発着 屋久島・奄美大島クルーズ 6日間
東京~<終日航海>~屋久島~奄美大島(名瀬)~<終日航海>~東京
<ぱしふぃっく びいなす>
✿4/13(水)▶4/17(日) 亜熱帯の島 奄美大島と洋上のアルプス屋久島クルーズ 5日間
神戸~<終日航海>~奄美大島(名瀬)~屋久島~神戸
✿4/29(金・祝)▶5/4(水・祝) GW世界遺産二島めぐり 奄美大島・屋久島クルーズ 6日間
横浜~<終日航海>~屋久島~奄美大島(名瀬)~<終日航海>~横浜
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