通船(つうせん)ってなあに
6月3日早朝、朝焼けの日本海を航行したにっぽん丸は、島根県の大社漁港に寄港しました。
島根県には有名な境港もありますが、今回の大社漁港はその名の通り出雲大社にほど近く上陸観光に便利なのです。
写真は大社漁港に停泊したにっぽん丸です。
…はい。陸地が見えませんね。
実はにっぽん丸が停泊しているのは大社漁港の沖合10分程度の位置なのです。
大きなにっぽん丸は大社漁港の岸壁に接岸することができないため、港の沖に碇を下して停泊しているのです。このように沖合で錨を下して停泊することを「錨泊」といいます。
錨泊した場合は、「通船」で上陸します。通船とは本船であるにっぽん丸が着岸できない小さな港に行くための小型のボートで、「テンダ―ボート」とも呼ばれ緊急時の救命艇でもあります。
救命艇というと小さな非常用ボートをイメージしがちですが、通船の船内は手すりには木材が使用され、シートはクッション貼り、全て窓に囲まれており定員は90名程度です。
沖合に停泊した本船の横に乗降用のデッキが下され、お客様が安全に通船に乗り移れるよう用意が整えられました。いよいよ上陸です!
通船が大社漁港に到着すると、観光協会の方が横断幕で歓迎してくださいました。
この日は通船最終出発の14:00まで、1時間に2~3本の割合で出雲大社や国宝松江城に行かれるお客様のために、沖合のにっぽん丸と大社漁港の間に通船が運行され、思い思いの観光に向かうお客様で賑わいました。
ピーカンの快晴のもと通船のコントロールをしていた「アヒル船長」は真っ黒に日焼けしてしまいました。
こんがり…
博多入港
6月2日、今日も五月晴れのような青空のもと、にっぽん丸は博多港に入港しました。
博多は全国一の客船入港数を誇り、その多くは外国船が多いのですが今年は400隻が入港予定とか。
神戸では3時間の停泊時間だったため、実質的に最初の寄港地となる博多はどんなところか、お客様のわくわく感が伝わってきます。
そんなお客様の気持ちを受け止めるかのように、岸壁からお出迎えしてくれたのは、高校生のブラスバンド演奏です。
予定の8:00入港より少し早目に岸壁に差し掛かると、演奏が聞こえてきました。
「福岡中央高等学校吹奏楽部」総勢56名のビッグバンドです。
今年で学校創立118年を迎える伝統校、吹奏楽部は創部から43年を迎え、福岡吹奏楽
コンクールで6年連続金賞を受賞している実力のあるクラブです。
岸壁に着岸してにっぽん丸の綱取りが終わると、乗船客から見える位置に移動し、
出発するオプショナルツアーのバスを見送るように演奏が続きました。
評判の船上グルメ~にっぽん丸のウェルカムディナー
6月1日、瀬戸内海上の「にっぽん丸」は航路を西に進めていきます。夕方、瀬戸大橋の下をくぐった頃、メインダイニング「瑞穂」では華やかなフルコースディナーが始まりました。本日は、「インフォーマルDAY」。おしゃれをして料理を楽しまれてるお客様の口元に笑みがこぼれています。
「ご乗船有難うございます」の意を込めてウェルカムディナーと題されたメニューはオードブルの「オマール海老のテルミドールと海老のリゾット」から始まりました。
どこかのテーブルでは、「結婚記念日」のお祝いでしょうか、バンド演奏が聞こえてきて、船長の白い制服が見え隠れしています。
メインの肉料理は「牛フィレ肉のパイ包み焼き 白味噌デミソース」。
「にっぽん丸」は、食事に定評があり、メニューの選定にも力を入れています。
聞くところによると、料理長自らが、寄港地毎にその土地ならではの食材を求めて卸市場に走り仕入れて来るとか、その日のメニューは、仕入れた食材を最大限に生かした仕立てになるので、郷土色豊かで新鮮な材料を使った料理がお客様に提供されます。
デザートは「赤肉メロンと白桃のムース パンプキンアイス添え」。
目にも舌にも美味しいお料理の数々にダイニングが賑わいを増す頃、にっぽん丸は、そろそろ来島海峡大橋の下にさしかかります。
にっぽん丸で鏡割り
ねずみ君からワンテンポ遅れてのんびりレポートしております、にっぽん丸日本一周クルーズ日記。こちらは6月1日の船内での写真です。
穏やかに凪いだ瀬戸内海を航行するにっぽん丸は神戸から乗船のお客様も揃い、いよいよ日本一周クルーズ本番です。
船内では、チャータークルーズ恒例のイベントが始まりました。
鏡のような海面にちなんだ訳ではありませんが、「鏡割り」です。
船内のドルフィンホールで、郵船トラベル「にっぽん丸チャータークルーズ」のスタートに際し弊社社長の磯村の挨拶のあと、これからの航海の安全を祈念して「鏡割り」を行い、記念の升をお配りし、お客様と乾杯でお祝いをしました。