ガンツウで訪れる“瀬戸内国際芸術祭2022” ~ベネッセアートサイト直島、日常の中の非日常~


多々羅大橋とガンツウ <画像提供:株式会社せとうちクルーズ>


始まりは30年前
 現代アートとの最初の出会いは1995年に刊行された平凡社の月刊『太陽』4月号。「アート驚く日本の美術館’95」のタイトルで、当時はまだ世に広く浸透していなかったコンテンポラリーアートを特集していました。月刊『太陽』は惜しまれつつ2000年12月号で休刊、一流の執筆陣や写真家による記事の数々は、読者の知的好奇心をそそり「太陽でそんな世界があることを知った」という方も多かったようです。


月刊『太陽』1995年4月号

 この号、トップに掲載されたのが「直島コンテンポラリーアートミュージアム(旧称)」、名画になりきるセルフ・ポートレートで有名な現代美術家 森村泰昌が自ら取材、“アートと自然が響きあう、海から入れる美術館”として紹介されました。直島のベネッセハウスがオープンしたのがちょうど30年前の1992年、その3年後の特集でした。


瀬戸内国際芸術祭の舞台として
 ベネッセハウスは日本ではまだ珍しかった現代アートの複合施設で安藤忠雄設計。美術館の中に滞在できるリゾートホテルとして欧米の旅行雑誌に取り上げられ、国内よりも早く欧米人に注目されました。ホテルのみならず、直島島内の海岸、古民家、路地などにもアートの舞台を広げ、2004年には景観を損なうことなく丘陵の塩田跡の地下に建設された「地中美術館」がオープン、「ベネッセアートサイト直島」という瀬戸内を舞台としたアート活動の総称が誕生しました。


ベネッセハウス 写真:山本糾

 そして、2010年に初めて開催された現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」で直島の名は一気に国内にも知れ渡りました。瀬戸内海の多島美の中で繰り広げられる斬新な立体作品や体験型の作品の数々は今まで現代アートには縁遠かった方、美術館の屋内でしか鑑賞したことのなかった人々に衝撃を与えたのです。

日常の中の非日常、無名な場所を特別な場所へ
 有価金属のリサイクル事業の他、漁業に従事する静かな瀬戸内海の島は「ベネッセアートサイト直島」の出現によりアートの島として徐々に変貌していきました。

 1994年に桟橋の先端に唐突に現れた、黒いドットをまとった黄色いカボチャのオブジェ、草間彌生の「南瓜」は今では直島のシンボルとして多くの人がメディアで目にしたことがあると思います。平凡な浜辺の風景がこれにより一変!とはいえ、瀬戸内海の風景を壊すものではなく溶け込んでいるので不思議です(2021年の台風により現在は撤去されています)。


ANDO MUSEUM 写真:浅田美浩

 また、本村地区に展開する「家プロジェクト」は生活感ある町並みの中に7軒のアートスペースが 設置されています。一見何なのかわからないもの、外観を見て、「はてな?」と思うものなど散策しながら謎解きのように楽しむことができます。中でもジェームス・タレルの「南寺」は体験してからのお楽しみ。果たしてなにを感じるのか、正解は鑑賞者に委ねられています。この他には実際に入浴できる美術施設、直島銭湯「I♥湯」、木造民家に新しい命を吹き込んだ「ANDO MUSEUM」などこれらの作品は、直島の風景や日常を失わせせることなく、特別な場所へと人々を誘ってくれるのです。


家プロジェクト「南寺」安藤忠雄(設計)
写真:鈴木研一

進化し続ける直島
 2022年3月、ベネッセアートサイト直島に「杉本博司ギャラリー  時の回廊」がオープンしました。本ギャラリーは、杉本博司の代表的な写真作品やデザイン、彫刻作品などを継続的かつ本格的に鑑賞できる世界的にも他に例をみない展示施設です。鑑賞者に自然の変化や壮大な時間の流れを体感していただく特別な空間となっています。屋外には硝子の茶室「聞鳥庵」が展示され、ギャラリー内から呈茶(お茶とお菓子/鑑賞料金に含まれています)を楽しみながら作品を鑑賞できるラウンジがあります。訪れるたびに新たな驚きのある直島でのひとときをゆったりお過ごしいただくことができます(入館はオンラインでの事前予約制です)。


Hiroshi Sugimoto, Glass Tea House "Mondrian", 2014 (c) Hiroshi Sugimoto, Photo: Sugimoto Studio
The work originally created for LE STANZE DEL VETRO, Venice by Pentagram Stiftung


「ガンツウ」で直島へ、瀬戸内国際芸術祭2022を体験
 通常、直島へは宇野港または高松港からフェリーを利用して訪れます。大型船で訪れることは難しく少し不便なこの島へ、ガンツウならテンダーボートで直接島へ上陸、快適に本年開催されている瀬戸内国際芸術祭2022を楽しむことができます。今回は直島をご紹介しましたが、この他に豊島犬島などへもアイランドホッピング。二日間でアートの島々を満喫していただくことができます。

 船内に戻れば暮れゆく瀬戸内海の風景が彩を添える新鮮な海の幸ディナーに舌鼓、大きなガラス窓に映る夕景を眺めながら浴場で旅の疲れを癒し、火照った体は海風に吹かれながら縁側でクールダウン。感性にひびくアート体験と瀬戸内海の恵みに抱かれる極上の旅をお過ごしいただくことができます。ガンツウのサービスやお食事などについてはこちらのブログをご覧ください。


ガンツウの“縁側”<画像提供:株式会社せとうちクルーズ>


 せとうちアートの島を満喫する「アート航路」は2022年は2回だけ、貴重な機会をお見逃しなく。9月出発のクルーズはふたつのクルーズを連続乗船し、添乗員が同行する郵船トラベルオリジナルツアーで登場。道後温泉で最もラグジュアリーな旅館のひとつ「別邸 朧月夜」での宿泊、広島県のアートの島、生口島や美しい広大な敷地と白隠コレクションでも知られる神勝寺を訪れ、「洸庭」というインスタレーション作品をご体験いただけます。添乗員同行ツアーはわずか8名様までの募集、少人数でお楽しみいただきます。お急ぎお問合せください。添乗員同行ツアーの詳細はこちらのブログをご参照ください。

2022年8月2日(火)▶8月5日(金) 尾道発着
玉野沖・玉野沖・詫間湾錨泊 4日間


●2022年9月10日(土)▶9月16日(金) 羽田発/横浜・東京着
【添乗員同行】“ガンツウ”で瀬戸内海を漂うように過ごす、人生最高の旅
道後温泉「別邸 朧月夜」宿泊 せとうちの海の道を辿り、アートの島を満喫 7日間


 ガンツウを個人で乗船される場合、広島県尾道市にあるベラビスタマリーナの出港・帰港となります。JR福山駅または広島空港までの往復送迎サービスは、乗下船日当日に限り、事前予約制にてご利用いただけます(追加代金なし)。また、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道での前泊、後泊の手配も承ります。

 郵船トラベルオリジナルツアーの添乗員は羽田空港から同行いたしますが、ガンツウ船内は船のスタッフがお世話いたします。詳細はパンフレットでご確認ください。


クリックするとパンフが開きます。

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■東 京☎ 03-5213-9987 
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投稿者名 emix-remix 投稿日時 2022年06月30日 | Permalink